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2020.06.27

雨漏りの路を考える その⑦『雨漏り調査試験』

顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援ご協力いただきまして、ありがとうございます。

前回は番外編として『丹波いわやの牡丹鍋』の情報を提供しました。
人気店なので、
シーズン中は中々予約が取れないとか。
又、秋になると枝豆を送ってくれる友達もいて・・・・・・、脱線が続きそうなのでこれ位にして。

池田市 阪急石橋駅から学生に連れられて進み、途中右折すると写真のような建物がありました。


雨掛かりを教えてくれる住宅


雨掛かりの勉強に最適な物件です。
おっとと今日は雨漏り注水試験の日です。
更に進んで閑静な住宅街の一角にあるモダン住宅を訪ねました。

木造2階建、屋根は金属立て平葺き、外壁はモルタル壁で一部窯業系サイディングの通気工法です。
外壁の通気工法は、日本で今から40数年前に北海道で基礎研究が行われ、
昭和60年頃、北海道・東北から日本国内で南下して施工され出しました。
(この話は外壁の凍害や壁体内結露解決の為の工法でした。今日は道がそれますので後日お話します。)


雨漏りしている問題のサッシ

早速、雨漏りしている窓サッシの部屋に案内されました。
雨漏りは2箇所で、窓サッシの固定ビス頭から落下するようです。


中庭の日除けテント

にお洒落な庭に出ての調査です。
中庭には日除けテントが設置されており、雨掛かりの多そうな箇所が見受けられます。

早速、一番怪しそうな箇所からの注水試験です。まずテントの固定金具です。
初めに、このお家の使い方 (テントを使って中庭を活用する趣旨を工務店に相談したか?) が問われます。
後付けの取付金具の固定は雨漏りの可能性が高く注意する必要があります。



オーバーハング入隅角の注水試験

次に、オーバーハング水切りの入隅角部への注水試験、更に各窓サッシ周りの注水試験と進めて行きます。
テントの留め付け金具部は、お施主様の通報時に他の職人さんが簡易に補修したらしく、今回の試験では雨漏り反応はゼロでした。

オーバーハング水切り部からの注水試験は、土台水切りの上下部からの排水が確認されました。
(土台水切り部の上下部から水の排出があると言う事は、防水シートの表裏に水が廻っているという事なので良くない事なのです。)


土台水切り上下部からの排水

更に2階窓サッシのシーリングピンホールからの注水は、1階窓サッシシーリングのピンホール部からと、1階土台水切り上部から排水しました。


2階窓シーリングピンホールからの注水試験

こうして、12階の窓周り部、12階オーバーハング部、屋根・壁の壁当たり部等、雨漏りしそうな箇所順番に注水試験を行いました。


注水試験概要写真説明書

根気よく、自然の摂理に忠実に注水試験は行われ、雨漏りの路を知ることが出来ました。
今回は、点滴による重力の導きとホコリの路で排出箇所を発見出来たのです。
試験内容と排水箇所の写真を一覧にした説明書を作成してみました。

次回はこの説明書を作図してご説明いたします。
少し時間が掛かりましたが、お付き合いいただきありがとう御座いました。