顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援ご協力いただきまして、ありがとうございます。
2週間ほど、番外編で大腸ポリープのお話をしました。
今週は熱の移動に戻ってお話をします。
太陽光や薪ストーブ、暖炉の炎、赤外線ヒーター等に当たると暖かく感じます。
なぜなのでしょうか。
直接暖かい物に触った時の熱移動を伝導と学びました。
熱い物体と冷たい物体の間に遮る物体がない場合、
熱は物体と物体の間の空間を電磁波によって伝わります。
熱は電磁波により熱移動し、この現象を熱輻射といいます。
空間を伝って伝達先の物体に当たると、電磁波の振動エネルギーにより、
伝達先の物体の分子が振動して熱を発します。
輻射は空気中でも真空中でも伝わりますが、間に障害物があればそこで遮られてしまいます。
熱伝導、対流は熱を伝える物体を介して熱が伝わりますが、
熱輻射は物体ではなく熱が空間(真空中)を電磁波になって伝わるというメカニズムです。
冒頭の、太陽光や薪ストーブや暖炉の炎等に当たると暖かく感じるというのは、
人間の体(熱を発している物体より低温)が熱輻射を受けているからです。

弊社屋上から西側の景色を見ると
熱の移動は伝導、対流、輻射の三種類があり、住宅における熱の関わり方として、
近頃では熱伝導は5%、熱対流は20%、熱輻射は75%位と言われています。
我々が学生時代の知識では「熱伝導」>「対流」>「熱輻射」のように習ったような気もします。
あれから50年、科学が進んで色々なメカニズムが解明され、それらの知識の応用で今日が成り立っています。
熱伝導、対流を赤外線サーモ画像で説明しましたので、熱輻射についても同様にサーモ画像を使用して説明します。

天気が晴れ、7月22日のサーモ画像
上の画像は、令和2年7月22日(晴れ)に池本工務店の屋上から西の方向を撮影したものです。
この日の外気条件は
① 気温 32.9℃
② 相対湿度 55.2%
③ 体感温度 39.1℃
④ 露点温度 22.1℃
⑤ 風速 1.0~1.5m/s
⑥ 気圧 1000.HPです。

天気が雨、7月4日のサーモ画像
また、7月4日雨の日の気象条件は
⑦ 気温 26.3℃
⑧ 相対湿度 94.0%
⑨ 体感温度 28.1℃
⑩ 露点温度 24.2℃
⑪ 風速 1.5~2.5m/s
⑫ 気圧 1008HPです。
二つの画像を比較して見ると、空の温度や建物物から放出される輻射熱は同じ様に見えます。
同じ様に見える箇所をM1、M2、M3、M4、M5、M6、M7と観測地点を決めて測定して見ると、下記表のようになります。
① 例えばM1を天空として温度を測定して見ると、晴れの日は16.0℃となり雨の日は22℃で雨の日が6℃も高いのです。
これは雲により地球表面(建物・樹木・道路等)より発せられる熱が雲に蓄えられ、
電磁波(温度として)再度発せられるからです。
② そして雨の日の建物温度の高低箇所は塔屋壁下 > 塔屋壁上 > 軒先 > 窓 > ドーマー > 小屋根の順でその差は3.1℃です。
③ 一方、晴れの日の建物温度の高低箇所は軒先 > 小屋根 > 塔屋壁上 > 塔屋壁下 > 窓 > ドーマーの順でその差は18.1℃です。
晴れの日の日中、これらの建物から発せられる温度は天空に返されて、雨の日の雲の温度より低くなっている訳です。

晴れ・雨の日各地点の温度測定値
更に、サーモ画像の四角で囲ったクリモグラフの温度分布を同じグラフの中に入れ込み比較すると、下記のグラフの様になります。
大きな青い破線グラフが晴れの日で、小さい青い実線のグラフが雨の日となります。
この画面から温度の差が良く読み取れると思います。
① 晴れの日の温度分布は 16.0 ~ 48.1℃
② 雨の日の温度分布は 22.0 ~ 27.7℃
③ 人間の表面温度は(心臓は約37℃、頭は約31℃、腕は約28.4℃程度)となり、赤線で28.4℃と入れてみます。

晴れ・雨のクリモグラフを同一表内表し人の温度と比較
この赤線で表した人の腕の温度は、雨の日の四角青い実線で示した風景の温度より高いので、
屋上に立っていると人の熱は、画像に移るすべてのところに電磁波として流れてしまう事が分かります。
ただ、この日の気象は雨で気温26.3℃相対湿度94.0%体感温度28.1℃露点温度24.2℃風速1.5~2.5m/sでほぼ風速だけを肌に感ずる環境でした。晴れの日も同様に気温32.9℃体感温度39.1℃でした。
熱を持った建物が電磁波を発し、更に太陽が直接当たって体感温度以上に暑く感じた訳です。
輻射熱は周囲の空気環境に大きく左右され、間接的に人に影響を与えていると思われます。
少し難しくなってきましたけど、次回はこれらの知識を元に室内の環境を学習します。
ありがとうございました。