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2020.10.31

熱の移動と水分子を考える その⑫ 『屋根の雪景色と熱と水蒸気移動3』

顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。

前回に続いて、カラーベスト屋根の雪模様です。
「友芽」ちゃんが通う幼稚園の園庭前にあるアパート屋根上での、
雪の融け具合で人の有無や建物構造の話をしました。

今回もお家に帰りながら、立体波形形状屋根材を使用したアパート屋根の観察をします。
材質は金属屋根とスレート屋根の2種類です。

④波形金属屋根材の積雪模様

住まう人が熱を発します。
水蒸気を発します。
この2つが結露の発生に影響します。



雪が降りしきる通園路から見えるアパート

通園路の少し横道にそれた、低い位置にあるアパートです。

ここでは熱を考えます。
人が住んでいれば熱を発生します。
この建物は連棟式の切妻屋根のアパートで、屋根材は波形金属屋根材です。


通常の屋根の状態


まず、後日撮影した雪の無い時の屋根写真を観察します。
始めに屋根の特徴を見ます。
①小さな縦模様が観察されます。
②更に何列か毎に濃淡の縦模様が観察されます。
③大判の屋根材の立体波形の山を横に重ねる施工法です。
④縦にも何段か重なっていますが明確には見えません。
雪の無いときの屋根にはランダムにホコリの堆積が確認されます。

次に窓の様子を観察します。
①この位置からは5戸の窓が観察されます。
②カーテンがすっかり閉められている部屋とそうでない部屋があります。
③洗濯物が干されている窓もあります。



降雪時の屋根の状態


次に、雪が堆積して、一部が融けている屋根を観察します。
下記3つの現象を確認します。


①人の有無が分かります。
 ・小屋裏の断熱性が悪ければ熱は野地板に移動し、屋根材上の雪を溶かします。
 
・屋根材は金属なので熱伝導率は高く熱移動は容易です。

.屋根の構造が分かります。
 ・屋根材の重ね位置
 ・屋根の防水構造により断熱性能が変わります。
 ・立体波形金属屋根は大判なので、横の重なりを一山重ねて防水性を高めます。
 ・物と物を重ねれば空気層が出来ます。
 ・室内側から移動する熱の量にも変化が見られ、屋根上に堆積した雪の融け方に変化が見られます。
 ・屋根の軒先から棟まで、重なっている箇所は雪が融けていないので確認できます。

③屋根材の熱伝導率と形状
・このアパートの屋根は金属性で波形をしています。
・熱は伝わり易く、山と谷がはっきりしています。
・山部に雪が積もり易く、谷面は野地板に接しているので小屋裏の熱を受け融け易いのです。
・雪の堆積している位置が縦に現れ、特に重なりのある位置は屋根材の重なりの箇所に空気があり、
 
断熱性を保つので顕著に融けない状態が続いています。

 波形スレートの積雪模様

住まう人が熱を発します。
水蒸気を発します。
この2つが結露の発生に影響します。

①ここでは熱を考えます。
人が住んでいれば熱を発生します。

この建物は階段を挟んで左右に1戸ずつ住居のある切妻屋根のアパートです。
雪の無いときの屋根にはあまり変化はありません。


通常の屋根の状態

②人の有無が分かります。
 ・小屋裏の断熱性が悪ければ熱は野地板に移動し、屋根材上の雪を溶かします。
 ・左側に1戸と右側に1戸の住宅があり、右の住宅の左側の屋根の雪がよく融けています。
 ・右の屋根の雪は溶けが悪く、2軒の暖房の使用頻度に差が有る事が分かります。

③下地の構造が分かります。
 ・下地の構造により断熱性能が変わります。
 ・室内側から移動する熱の量にも変化が見られ、屋根上に堆積した雪の融け方に変化が見られます。


降雪時の屋根の状態

④このアパートの屋根は波形をしたスレートです。
 ・前述の波形金属屋根の屋根材に比較して断熱性があることが分かります。
 ・雪の融け方が全体に少なく雪が残っています。
 ・熱が伝わり易い箇所とそうでない箇所、山と谷がはっきりしています。
 ・山部に雪が積もり易く、谷面は野地板に接しているので融け易く、
 ・雪の堆積している位置が縦に現れ、特に重なりのある位置は顕著に融けない状態が続きます。

⑤界壁の位置
 ・通常、アパートは防火上自室が火事になっても隣室に移らないような構造になっています。
 ・隣との間を天井から小屋裏・屋根まで分離するように「界壁」と呼ばれる防火壁を設置するよう義務付
  けられています。
 ・この建物は中心部の落ち棟のある個所に界壁のあるのが分かります。
 ・中心部から左右の屋根の融け方が違います。
 ・左側の箇所かよく溶けています。
 ・隣室との熱移動が妨げられて、屋根表面にも熱の分布が現れるのです。

形状が波形をして材質の違う2種類の屋根の融雪状態を観察しました。
一つ一つ現場の写真を良く観察すると、微妙に雪の融け方が違います。
熱伝導率が異なるので屋根の上の雪の堆積量が異なります。
勿論、生活形態は各々の家庭で異なりますので、発生する熱量は異なりますが。

写真を見ながら各々の屋根の雪模様を観察してください。
次回ももう少し同じような屋根の雪模様を説明します。

どうもお疲れさまでした。
お付き合いありがとうございました。