2020.12.06
顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。
『洗面所の壁にカビが生えました。何故なんだろう?』
「正月に初孫が返ってくるので部屋中を清潔にしたい」
「前から気になっていた洗面所のカビはなぜ生えたのだろう」
「風呂から上がったら直ぐに換気しているのに」
と、どこの家庭でもある疑問です。
今はテレビで
「カビ取り剤」「除湿器」「換気機器」「断熱材」の製造販売各メーカーが、
自社製品を売らんが為に都合の良いとこ取りの情報を流して
『カビ害の危険性』を煽って不安を増幅させています。
更に今年は「コロナ対策」も重要な課題となっています。
インプラス窓 提案の建物
このような情報から現場調査を始めました。
そして「窓改修 と 快適性アップ のリフォーム」を提案しました。
建物の概要は
構造 重量鉄骨造3階建
屋根 陸屋根(シート防水)
外壁 ALC(発泡コンクリート)一部タイル張り
ここで暖房の種類と快適性について少し説明します。
居室の暖房の種類と温度・相対湿度分布は部屋の暖房器具により、
室内の温度分布が変わります。
そして通常室内温度は胸の高さ程度で測定します。
温度と湿度は密接な関係が有りますので、
実は湿度分布も変わるのです。
ここでは3つのタイプの暖房と快適性の概念比較をしてみます。
下の図は
1. 石油ストーブ暖房
2. エアコン暖房
3. エアコン+床暖房
の部屋別の各々のタイプの快適性を表現したものです。
ここで重要なのは温度分布以上に実は湿度分布なのです。
*通常相対湿度は45~55%ぐらいが丁度良いとされています。
1. 石油ストーブ使用時の室内温度分布
建築して20年以上の一般的な住宅の室内と暖房
現在生活されている住宅の1/2このタイプの住宅です。
灯油ストーブ使用時の室内温度分布です。
窓は単層ガラスです。
室内側にカーテンが掛かっており、カーテンは床にとどいていません。
一般的な住宅の室内温度分布です。
ここで池本社長に登場していただき、ご説明します。
ここで外部環境を気温0℃、湿度50%とします。
単層ガラスから冷気(10℃)が進入し下降します。
快適な室内温度24℃の時、相対湿度47%と仮定すると
この条件では室内温度12℃で結露します。
ところが既にガラス窓の温度は10℃なので結露していることになります。
さらにこの10℃の冷気が壁に沿って下降してきます。
この現象をコールドトラフト現象と呼びます。
① この冷気はカーテンの下に向かって流れます。
② 冷たい空気が床に達すると空気は横を這うように広がり、部屋の隅々まで侵入します。
③ 通常多くの家庭は灯油ストーブか、ガスストーブを使用しています。
④ ストーブによる暖気はすぐに天井まで達します。
⑤ 室内の温度の高低さによる温度分布は15~20℃ほどになります。
⑥ すなわち床の温度は温度12℃の時、相対湿度100%(床の隅で結露)になります。
⑦ 天井の温度は温度32℃の時、相対湿度29.5%になります。
⑧ これを相対湿度で比較すると100~30%ほどとなります。
⑨ 床部はカビの発生する領域で天井部はウィルスが活発に活動する領域が出来るのです。
⑩ そうです。この状態で病人を寝かしますと
⑪ カビだらけの畳と布団(絨毯)の状態で安ませることになります。
⑫ 最悪の住環境です。
⑬ 早くあの世へという状態になります。
⑭ ここで再び池本社長に登場していただき、カビだらけの布団で寝てもらいます。
2. エアコン使用時の室内温度分布
建築して15年程度の新築住宅を想定しますと、窓は複層ガラスとなっています。
ここで外部環境を気温0℃、湿度50%とします。
複層ガラスから冷気がほぼ進入しないとし。
快適な室内温度22℃の時、相対湿度53%と仮定すると
この条件では足元の温度14.5℃で相対湿度が85%となります。
①このエアコンでの暖房を考えます。
②エアコンは天井近くに設置するので足元はなかなか暖まりません。
③近年は足元温度をセンサーでキャッチし、暖まっていない床に向けて、
集中的に送風する新兵器が現れていますが高価です。
④しかも空気を暖めているので、壁からの赤外線放射は期待できません。
⑤空気も乾燥するので快適空間を作るには時間が掛かります。
⑥天井温度23℃の時、相対湿度49.9%
⑦生活空間の温度は15℃の時、相対湿度82%
⑧足元が少し冷える感じで生活する必要があります。
勿論、この図は概念図ですので、外壁の種類や窓の数位置で温度分布は変わります。
3. エアコン+床暖房使用時の温度分布
現在の新築住宅はこの様な仕様となります。
高気密高断熱のLIXILさんのスーパーウォール工法もよく似た仕様となります。
ここで外部環境を気温0℃ 湿度50%とします。
複層ガラスから冷気がほぼ進入しないとし。
快適な室内温度25℃の時、相対湿度44.3%と仮定すると
この条件では足元の温度22℃で相対湿度が53%となります。
①上の状態の条件では、床暖房が設置してあります。
②冷気で包まれた床エリアが床暖房で暖められます。
③床から天井に掛けての温度分布(2~3℃)の差は少なくなります。
④相対湿度分布も53~47%となり、カビもウィルスも発生し難い環境になります。
⑤理想的な居間の空間を作ることが出来ます。
今回は池本社長が登場し、説明して頂きました。
社長ご苦労様でした。
そんな訳で、池本工務店の『高気密・高断熱』の住宅は、
LIXILさんの『スーパーウォール工法』を本格的に取り組む事になりました。
次回はALCの住宅にインプラス窓の良さを・説明し住まい方の工夫を提案します。