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2021.03.27

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その①『我が国の気候区分』

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。


前回の『インプラス窓の提案』、窓からの冷気が下降して窓下が冷たくなり、内壁の表面が結露してカビが発生するメカニズムを物理的に学んできました。そこで、行きついたのは窓面を冷気から守る事、即ち窓を二重にする事だったのです。
さらに昨年は熱の『伝導・対流・輻射』について赤外線サーモカメラテで撮影した画像から、熱は高い処から低い処へ赤外線波長により移動するということも学びました。


国は省エネ住宅を推進するために新築を中心に『高気密・高断熱等』の住宅政策等を進めています。勿論、地震国日本なので、「耐震」に対しても重要課題の上位に挙げられています。

今回からは、目先の事象を考え「時々グローバル」に視点を移して、得意とする分野『屋根と小屋裏』を中心に理想的な「住宅のリフォーム」を考えてみたいと思います。


錆屋根のある農家小屋


数年前に、京都府立大学のO教授から「京都市北区に有る教育施設の結露」について調査依頼を受け、同僚と出掛けました。(現在は他大学教授をされています)
途中昼食に美味しい蕎麦を頂いて、休息していると、写真のような『農家屋』が有りました。
「トタン製の錆びた屋根」があります。
もう少し屋根を観察して見ると、2階の屋根と下屋根の錆び具合が違います。
更に、その向こうの小屋の錆び具合も違います。
同じ亜鉛メッキ鉄板なのに、この錆び模様はなぜなんだろうと考えて近づいて写真を撮りたくなりました。

こんなに素晴らしい教材があるなんて、と。
これは一種の私の病気ですが。
さて、日本は地球的に考えると、
北半球の中緯度に配置し、
周囲が海に囲まれた「明確な四季のある」国とされています。

日本の緯度と世界の緯度比較


まず初めに地球の北半球の中緯度に配置し、という内容を世界地図から考えてみると
アメリカ大陸を半分切り取って、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの中で考えてみます。

上記地図はグーグルマップに日本の都市「稚内・東京・大阪・那覇」の位置をヨーロッパ・アフリカ・中近東・東南アジア等の国々の緯度と比較して表したものです。


 ①黄緑色破線は稚内の北「日本国北端」(
日本最北端の地の碑は、北緯45度31分22秒、宗谷岬の突端に位置)
 ②オレンジ色破線は東京(新宿区北緯354122)・大阪(大阪市北緯344111)近郊
 ③赤色破線は那覇「日本国西・南限」(日本の沖縄
波照間島高那崎(沖縄県八重山郡竹富町北緯24度2分59.324.049806; 123.805056

北と南では20度以上の緯度差があり、東京都大阪はその中程に位置します。
更に日本の南北の長さを両矢印線で表し、ヨーロッパに距離として表すと図のようになります。
即ち日本の最北端はイタリアの北部で、東京・大阪は地中海南部のアフリカ(チュニジア)中東(シリア)で、南の那覇はアフリカの砂漠(リビア・エジプト)インドの北部となります。

ドイツを中心としたヨーロッパ北部の主要都市は、日本の南北の長さの中にほぼ納まります。
更にドイツの南北の長さは日本の緯度のほぼ半分程度です。
ドイツの優れた断熱の考え方を日本に広めようとする技術は大変な努力が必要な事が分かります。
日本は災害の多い国です。
地震とそれに伴う津波。
台風とそれに伴う水害や梅雨時の水害・土砂崩れ。
世界的にみても多積雪国。
いずれも細かく建築基準法に地域が規定されています。

我が国の気候区分


次に周囲が海に囲まれた「明確な四季のある」国とされている日本の気候を考えてみます。
記は日本の気候区分を関口武・福井英一郎氏が表したものです。
この気候区分を参考に以降、中学校の教科書や日本各地の住環境に関わる資料が作成され使用されています。

日本は国土面積から考えると南北・東西に細長く寒冷地区(北海道・東北等)と温暖地区・亜熱帯地区(本州・四国・九州等)があります。

その上、山脈や川が絡みあいながら盆地や平野を形成し地域的に複雑です。
更に春、夏、秋、冬の四季があることは日本の気候区分をより複雑にしています。

気候特性は主に日本海型、九州型、南海型、瀬戸内型、東日本型、南日本型の六つに分けられます。
更に日本海型はオホーツク型・東北・北海道型、北陸・山陰型に、南海型は四国南半・紀伊半島・伊豆半島・千葉県南部地域、東日本型は東部北海道型・三陸・常陸型・東海・関東型・中央高原型に、南日本型は奄美区・那覇区・先島区・小笠原区に区分されます。

これらの地域特性と夏季、冬季の季節特性とで日本の気候特性の地域分けをすると別表の様に分類されます。



我が国の夏季・冬季の季節特性


夏季には温度は高温・適温、湿度は多湿・適湿に冬季には温度は低温・適温、湿度は多湿・適湿・低湿に区分されます。

一方地域別には北海道と東北地域を中心としたAタイプ、日本海を中心としたBタイプ、九州と離島中心のCタイプ、温暖な瀬戸内のDタイプ太平洋に沿ったEタイプ信州を中心としたFタイプ、沖縄以南のGタイプに分類できます。

温度特性と湿度特性を中心に区分けをすると日本の各地域の気候特性地域分けが理解されます。
これらの考えで国は省エネ基準地域区分を決定し、指導を行っている訳です。


我が国の1~8地域における断熱基準(平成28年)


そこでわが近畿地区はどのような気候区分となっているのかと考えると下記のような図となります。