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2021.06.05

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その⑦『屋根材の種類別経年変化』

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。

『 農家小屋の錆びた屋根 』の錆に対する水分子「雨」「霜」「露」「雪」の発生日について考えてみました。
更にグーグルのストリートビューを拝借し、南に1.5km移動してその間に興味ある住宅を観察して屋根の状態を2013年~2020年の年代別に調べ『 屋根材の種類別経年変化 』 を作成してみました。

下記はグーグルマップ上に調査した対象住宅をプロットしてみました。
始めの
『 農家小屋の錆びた屋根 』の建物を①として
②カラーベスト屋根の農協とトタン板屋根とセメントモルタル壁
③カラーベスト屋根の住宅とトタン板屋根小屋とトタン板壁
④茅葺き屋根住宅とトタン板屋根小屋
⑤同上のアングル違い
⑥茅葺き屋根住宅と陶器瓦屋根住宅とトタン板屋根小屋
⑦同上のアングル違い
➇カラーベスト屋根住宅とトタン板屋根
⑨同上のアングル違い
となります。


調査物件の分布範囲
調査期間は201310月、201501月、201601月、201906月、202001月の写真です。
調査内容は
トタン板、カラーベスト、茅葺き、陶器瓦屋根の経年変化
②屋根のリフォームの有無
③トタン板、カラーベスト、茅葺き、陶器瓦屋根の各々の屋根材の劣化度合いの比較
④周囲環境の変化
などです。

そこで、201310月~20201月までの水分供給日をチェックして見ますと
「雨」は464日、「霜」は102日、「露」は53日、「雪」は62日で合計681になります。
これを前回と同じように棒線グラフで表すと下記のような表となります。
総日数は2282日で3.3日に一度は錆びを助長する日となります。


2013年10月~2020年1月の錆びの進行を助長する日

下記は①から⑨の現場を201310月~20201月の間でストリートビュー写真を一覧にしたものです。


調査物件の概要写真

201310月に撮影された外観を観察します。


2013年1月の農協

この建物はJAの建物の様です。
①建物は木造2階建
 ・窓はアルミサッシュのシルバーでこの色のサッシュは19701990年代に流行したものです。
②屋根はカラーベスト
 ・この屋根材は1960年から日本で発売されて1970年頃から急激に売れ出したものです。
③外壁セメントモルタル
 ・外壁は関西ではセメントモルタルが長い間主流で1980年代より窯業系サイディングが普及してきました。
④総合的に考えるとこの建物は1975年ころの建築ではないかと考えられます。


2020年農協グーグル


上記写真は2021年の上空からの写真で屋根材はかなり経年変化をしているようです。
1970
年代のカラーベストはグリーン色と赤色が主流であったので、この屋根材はグリーン色と思われます。


2015年1月の外観


2013
10月の写真と201501月の写真を比較して見ます。
2013
10月の写真は天候の加減か全体的に暗く映っています。
観察のポイントは
①屋根材の経年による変化(地衣類・コケ類の付着)
②雪止め金具の経年による変化(金属の錆び)
③ケラバ板金役物の経年による変化(亜鉛鋼板の錆び)
④破風板の経年による変化(木材の腐朽)
⑤軒樋の経年による変化(塩ビ樹脂の退色・変形)
⑥軒樋取り付けの外付け金物の変化(亜鉛鉄板の錆び)
⑦手前のトタン板の経年変化(亜鉛鉄板の錆び)



2019年6月の外観


2013
10月の写真と201501月の写真はあまり変化が見られませんでしたので。
201501月の写真と201906月の写真を比較して見ます。
良く観察すると
①屋根材の経年による変化(地衣類・コケ類の付着)
 ・2015年と2019年を比較すると2019年の写真が明るいので屋根表面への地衣類の付着はあまり変化が無いように思われます。
②雪止め金具の経年による変化(金属の錆び)
 ・雪留め金具の錆びも大きな変化は無いように思われます。
③ケラバ板金役物の経年による変化(亜鉛鋼板の錆び)
 ・ケラバ板金役物はカラー亜鉛鋼板でできており錆びの進行が進んでいる様に観察できます。
④破風板の経年による変化(木材の腐朽)
 ・破風板の木材の腐朽は大きな変化は無いように思われます。
⑤軒樋の経年による変化(塩ビ樹脂の退色・変形)
 ・軒樋の経年による退色・変形も無いように思われます。
⑥軒樋取り付けの外付け金物の変化(亜鉛鉄板の錆び)
 ・軒樋取り付け金具は少し錆が多くなったのか目立つようになっています。
⑦手前のトタン板の経年変化(亜鉛鉄板の錆び)
 ・トタン板の錆びは全体に少し錆が浮いて来たように見えます。


2020年1月の外観


2020
01月の写真を見ると、雪留め金具、ケラバ板金役物、樋の受金具、トタン板等の鉄系金属部の錆びが進行しているのが観察されます。
破風・鼻隠し板木材部も少し腐朽が進んだように見えますがまだボロボロにはなっていません。
屋根材と塩ビ樹脂の変化は顕著には表れていないように見えます。

次に少し離れたカラーベスト屋根とトタン板壁住宅とトタン屋根の小屋を観察します。
前回の農協と同様にトタン板屋根の錆びの進行が確認されます。
又、トタン板壁も少し錆が浮いてきてるように観察されます。



2013年10月カラーベスト住宅とトタン小屋



2015年1月のカラーベスト住宅とトタン小屋


2019年6月のカラーベスト住宅とトタン小屋



2020年1月のカラーベスト住宅とトタン小屋


季節により建物周囲の草花の変化も参考になります。
次回は茅葺き屋根の変化を観察します。

どうもありがとうございました。