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2021.07.10

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その⑪『大東市の金属屋根経年変化観察』

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。
前回は弁天町の金属屋根経年変化について、雨漏り調査中周囲の屋根を撮影した話をしました。

今回も同じように大東市のいぶし瓦屋根棟部より撮影した周囲屋根を見てみましょう。
下記写真はグーグル写真で上を北にし3Dにして見ました。
周りには4・50年ほど前に流行った陶器瓦(青緑)が目立ちます。
右には大きなセメント瓦の屋根も有ります。
所々にカラーベスト系もあり、関西の郊外住宅地風景です。


大東市のグーグル写真の3D


どこのお家のものか分かりませんが広いお庭が有ります。
正面にはカラーベスト屋根の2階建住宅が有ります。
右側には波型のセメント瓦・陶器瓦が並んで有ります。


築50年住宅屋根からの風景


金属屋根・庇らしきものに①②③・・・・・・と番号を振って一つ一つを観察して見ます。


①平板鈑金の庇


まず初めに左側奥にある陶器瓦屋根の①庇写真です。
建物の妻側デザインや瓦の傷み具合から築45年程度の住宅と推測できます。
平板の板金庇に錆びが発生しています。
しかしメンテナンスとしての再塗装は無いようです。


②瓦棒屋根の錆び


左側手前の2階建住宅②瓦棒写真です。
同じように築45年程度は経過しているようです。
屋根全体に錆びが発生しています。
全体的な錆び具合と腐食の無い白い箇所を見ると再塗装はされていない様です。


③同上平板鈑金の庇


同上2階部分の③庇写真です。
本屋根が瓦棒で緩勾配なので、天井懐が少ないく庇と屋根が接近しています。
軒先部分では庇と屋根が一体となったデザインとなっています。
この様な箇所には鳥が巣を作り易い箇所と言えます。
雨掛かりの少ない処なので、埃の堆積が多いように見られます。


④瓦棒屋根の庇部分


同じ建物の東側の④庇写真です。
日当たりが良いので塗装面は経年で白くチーキングしているようです。
防錆性能もだんだん無くなってきているようで、薄っすらと錆が発生してきているようです。
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階屋根の瓦棒の錆びを考えると早めに再塗装をした方が良いように思われます。


⑤まだらに退色している庇


次に同じ建物の南側にある⑤庇写真です。
平板庇の経年劣化度は左側半分が白っぽくなっています。
埃の堆積は同じようで雨掛かりもあまり変わらないように見えます。
なにが原因なのか非常に興味が湧くところです。
この建物は一度も再塗装をされていないように思われます。


⑥金属製の物置小屋屋根


屋根・外壁・床と全て金属の⑥物置小屋写真です。
通常はお家を購入して何年がすると荷物が増え物置小屋を購入します。
屋根の周囲が薄っすらと錆が発生してきています。
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数年経過している小屋と思われます。


⑦瓦棒屋根の再塗装


右側2階建のグレー陶器瓦の下屋根⑦瓦棒写真です。
再塗装をされて10数年ほど経過したように見えます。
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階屋根には小さなソーラーパネルが3枚ほど乗っています。
この電力を使用して床下換気か小屋裏換気をされているように考えられます。


⑧瓦棒屋根の反り


その建物の向こうにある少し錆びた⑧瓦棒写真です。
この金属屋根は勾配が非常に緩く軒先・棟が反り上がっているように見えます。
したがって水掃けが悪く雨水が滞留し易いのではないかと心配です。
屋根の上にはパイプ等が置かれているように見えます。


⑨かなりの錆びが発生している瓦棒


更にその向こうにある⑨の瓦棒写真です。
谷部の白地に錆が発生しています。
瓦棒山部にはまだ錆びが少ないように見えます。
少なくとも30年以上は経過して再塗装されている屋根のようです。


⑩再塗装された瓦棒


さらに向こうにある波型スレート屋根の下屋根⑩瓦棒写真です。
おそらく波型スレートは重ね葺き施工をされたようです。
その後10年程前に住宅全体を再塗装されています。
このお家はいつもメンテナンスをされるように思われます。
瓦棒も再塗装されています。


⑪埃の付着した庇


一番手前のセメント瓦屋根の⑪庇写真です。
壁際は白くホコリが堆積しているように見えます。
中程で色が変わっているのも確認されます。
雨掛かりの影響かも知れません。
また軒先側には錆びが発生しています。


⑫日の当たらない庇


その手前の少し低いセメント瓦屋根⑫庇写真です。
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階屋根と庇の間が接近して乾きの悪い庇です。
埃の付着している箇所の風通しが悪く湿っているように見えます。
軒先は先端だけ錆びが発生しています。
⑪⑫の庇を比較すると、軒の出は同じでも雨掛かり・上部屋根高さ等により
経年劣化が異なる事が分ります。


⑬埃の堆積している庇


⑦の瓦棒屋根2階に取り付けられた⑬庇写真です。
⑪⑫に比較して2階軒までの高さが少ない庇です。
ほとんど雨掛かりが無いので多くの埃が堆積しています。
錆びもあまり発生していない様に見えます。


⑭カラーベスト屋根の棟鈑金


最後に向かいのカラーベスト屋根に取り付けられている⑭棟包板金写真です。
屋根の褪色感から推測すると20年ほど経過しているように見えます。
まだ錆びは発生していないように見えます。
余談ですが、この棟包はどの様な形をしていて、どの様な経緯で寸法が決定したのかをお話します。


⑮KMEWカラーベスト屋根の棟包鈑金納まり


上図⑭の棟の事を「棟包役物・板金」と言い⑮断面を示しています。
赤色線の位置の⑭写真のこちらから見た棟板金の半分(見え掛かり)です。
この形状はもともとカラー鉄板#29( t=0.35 )の6尺×3尺の板を加工して製作したもでのです。
カラー鉄板の原板では基本寸法として6尺×3(1820mm×910mm)の長さです。
この棟包板金材料の長手方向は1820mmですので、短手方向は910mmとなります。
コストを考えると910mmの寸法で割り切れる数字で役物を作るのが理想です。
赤色の箇所の合計はKMEWカタログでは104+19+30+5=158で、2倍にすると316です。
これで3枚取れるとすると316×3=948です。
これでは910mmより大きく948910=382×3=6で割ると6.33・・・・・・ほど大きくなります。
実はこの寸法は元は104+18+24+5=302302×3=906でした。
ある時より、鍔の寸法を24mmから30mmに変更して新しい施工法をプラスしたのです。

設計・技術者の決めた寸法が自然の経年変化に対してどのような結果を示すのか興味のある処です。
屋根の観察は自然の摂理を認識するのに役立ち・楽しめるのです。

どうもありがとうございました。