ブログBlog

2021.07.17

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その⑫『大阪市内の金属屋根経年変化観察』

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。
前回は大東市等の金属屋根経年変化について、雨漏り調査中に周囲の屋根を撮影した話をしました。

今回も同じように生野区の瓦棒3件と住吉区の金属屋根の色々を観察してみましょう。
下記写真は生野区のグーグル写真で上を北にして撮影したものです。
周りにはカラーベスト系屋根が多いようです。
真ん中にいぶし瓦の5060年ほど前の家が2棟あり、その隣はカラーベスト系屋根です。


生野区の屋根グーグル写真


更にグーグル写真3Dの南を上にしてみました。
金属屋根・瓦棒屋根に①②③と番号を振って一つ一つを観察して見ます。
各々のお家は南北に各々同時期に金属屋根で増築したようです。


生野区の屋根グーグル写真の3D


増築の時期は①②③の順番の様です。
それでは①から順番に見てみましょう。


右側住宅の3階からの風景


まず初めに左側奥の①瓦棒写真です。
30
年位前からのもので再塗装無しの屋根です。
全体的に綺麗な感じで均一錆びているように見えます。


②メンテナンス無し棒屋根


次に真ん中②の瓦棒写真です。
通常の瓦棒サイズに比較して少し巾広に見え、中程に継ぎ手が有ります。
近所の板金屋さんが、工夫して施工したように思われます。
さらに、再塗装してあるような艶が有ります。


①完全自作の棒屋根


右側手前の③の瓦棒写真です。
多分一番新しい瓦棒です。
再塗装にムラが有るように見えます。


③一番新しい棒屋根


次に住吉区のグーグル写真を見てみましょう。
少し広範囲になりますが、屋根の上からの写真はうまく観察できます。


住吉区の屋根グーグル3D写真


屋根の上から撮影した写真です。
金属屋根・庇らしきものに①②③・・・・・・と番号を振って一つ一つを観察して見ます。


手前の住宅の屋根からの風景


非常に珍しい①瓦棒と平板葺き混合写真です。
カラー鉄板の経年変化で色々な観察ができます。
瓦棒の一部は陶器瓦屋根の庇部の下にあるので、経年劣化も少なくホコリが溜まっています。
平板葺きで雨水の多い部分に錆びの進行が大きいことが分かります。
瓦棒の箇所と平板葺きの箇所の錆び具合の違いも分かります。
この写真は錆び具合の観察には素晴らしいものです。


①瓦棒と平板葺き金属屋根


青緑瓦(陶器瓦)の下屋根②瓦棒写真です。
50
年程度は経過していると思われます。
何度か再塗装されており、所々に錆びが発生しています。


②50年経過瓦棒屋根


少し離れた正面にある地区20数年③立平写真です。
割と新しいので屋根に錆びの発生はありません。
住宅の密集地に建てられている「軒の出・ケラバの出」の少ない住宅です。
外壁は窯業系サイディング使用です。


③軒・ケラバ出の少ない立平屋根


陶器瓦の3軒長屋に増築された勉強部屋らしき④瓦棒写真です。
他の2件は同じようなデザインで30年程度経過したカラーベスト系屋根です。
この屋根も30年程度経過して再塗装されていると思われます。


④30再塗装された瓦棒


右側中央部で一番遠くにある⑤波板形状(トタン板)写真です。
写真は少しハレーションを起こしているので錆び具合の観察は不可能です。
外壁もカラー鉄板で窓が少ないので倉庫かも知れません。
形状は南に流れている片流れです。
グーグル写真をアップすると屋根の固定されている箇所が規則的に光っています。
(
ここでは載せていません)


⑤トタン板屋根か


ストリートビューで探して見ると立派な住宅の屋上にトタンで怪しい小屋が建てられていました。


⑤Sトタン板で屋上に怪しい小屋が


左側で一番遠くにある⑥立平写真です。
20
数年経過した屋根なので錆びの発生はありません。
住宅の密集地に建てられている「軒の出・ケラバの出」の少ない住宅です。
外壁は窯業系サイディング使用です。


⑥軒・ケラバ出の少ない立平屋根


外壁はALCで屋根はスレート系屋根カラーベストコロニアルの住宅です。
ケラバ部分はALCが立ち上がっています。
笠木はカラーアルミです。
ケラバ部の納まりは壁際流れ方向の雨押さえ板金を使用しているようです。
いずれもまだ新しいので錆びの心配はないようです。


⑦カラーアルミの笠木


35年以上経過したスレート系フルベスト24の屋根材です。
通常このタイプの屋根は20枚で1(3.3m2)*/施工します。
このメーカーの商品は24枚で1坪施工するので「フルベスト24」と名付けられました。
スレート系屋根材は主に本体部分だけをスレートで施工し、端部(役物)はカラー鉄板等の金属で仕上げます。
即ち役物の基材そのものは金属系屋根材と同様です。
表面はカラー塗装です。
基材の古くは亜鉛メッキ鋼板で、現在ではガルバリュウム鋼板を使用しています。
このケラバの役物は35年経過してメンテナンスされていませんのでかなり錆びています。
本体の屋根材の退色はあるもののまだ健全のように見えます。


⑧フルベスト屋根のケラバ役物の錆び


ケラバ本体端部は金属ケラバの隙間に包まれているように見えます。
実はこの形状は台風時の「飛散防止に役立っている」などの話は、
「竜巻・台風」などのお話の時に詳しく説明したいと思います。

屋根の上から観察する事で金属の経年について学ぶことが出来ました。
次回は少し違う観点から観察したいと思います。

どうもありがとうございました。