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2022.03.12

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その  ㉗ 『 地衣類・屋根上 Ⅵ 』

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。
さて前回はセメント瓦(モニエル瓦)再塗装の現場の事前調査を屋根面上から見た「地衣類」「藍藻類」観察でした。
棟の三又部、地瓦の全体的な特徴と2種類の天窓説明等でした。
今回は残りのケラバ瓦部等写真を説明したいと思います。
片流れ棟から出た棟巴部・ケラバ瓦部です。
写真左の棟巴に比較してケラバ瓦部にはかなり多くの「地衣類」が付着しています。
その下、地瓦山部には「地衣類」が点在している箇所は少なく、
又点在している間隔は広くなっています。
「地衣類」は元々、当初から密集して生えないと言う特徴があると学びました。
従って広範囲に付着しているのはかなり時間が経過していると考えられます。
この「地衣類」点在の仕方は写真左の棟巴に似ています。
ただ地瓦部には「藍藻類」の付着が多くあります。
「藍藻類」も山部と谷部では付着量がかなり異なるようです。
山部に比較して谷部の「藍藻類」は非常に多く「地衣類」は少ないようです。


    棟巴とケラバ部の「地衣類」

ツブツブが密集したようには見えます。
従ってフワフワ感は少ないようです。よく見ると色に濃淡があるように見えます。
発生当初の箇所が濃く「地衣類」が重ねられて、時間の経過の少ない箇所は次第に薄く見えるように思えます。


    ケラバ瓦の「地衣類」拡大


こちらの方はかなりフワフワ感があります。
ツブダイダイゴケが高く盛り上がっているように見えます。
従って、かなり時間が経過していると思われます。

    密集した「地衣類」

前述の写真に比較して棟巴部・ケラバ瓦部への「地衣類」の付着は少ないようです。
棟巴への付着は前の写真の1/3程度です。
ケラバ瓦への付着は1/2程度です。
前述と同様に地瓦部には「藍藻類」の付着が多くあります。
「藍藻類」も山部と谷部では付着量がかなり異なるようです。
山部に比較して谷部の「藍藻類」は多く「地衣類」は少ないようです。


     他の箇所のケラバ瓦

同じケラバラインの下部の位置です。
ケラバ瓦の一部が欠けています。
「地衣類」はケラバ瓦部、地瓦部とほぼ同じ程度に付着しています。
欠けた下の瓦部分には「地衣類」の付着は有りません。
従ってこの欠けは比較的新しいものと分かります。

    欠けているケラバ瓦

ケラバ瓦の一部を拡大して見ます。
花のような「地衣類」が付着しています。
中心部には少し大きな円状の「地衣類」があります。
その周囲には少し小さい円状の「地衣類」があります。

更にその外側にはフワフワとした綿状の「地衣類」があります。
中心から外側に向かって「地衣類」の成長を確認出来るような状態です。
その周囲は「藍藻類」に覆われています。


    花びら状の「地衣類」

そのケラバ瓦を横から見た処です。
真ん中辺りにクラックがあります。
クラックの左右で模様が切れています。
両側の環境は微妙に異なっているのでしょうか。
全体的に「地衣類」がきれいに付着しています。
「藍藻類」の付着は凄く少ないようです。
何か「地衣類」「藍藻類」の特徴を掴んでいるような模様です。

    ケラバ瓦横部の「地衣類」


他の箇所のケラバ瓦です。
「地衣類」の顕著な付着は見られません。
「藍藻類」も少ないようです。
その代わりに「苔類」の付着が見られます。
今までの場所の環境とは少し異なるようです。

 「地衣類」「藍藻類」の少ないケラバ瓦

1月に学んだ「財団法人 建材試験センター」が出版していた、建材試験情報誌2008.3. VoL.44の記事から

「苔類」の特徴を記して見ますと
: 胞子の発芽及び有性生殖を行う時期には十分な水分が必要となります。
    その後の生命の維持には細胞が乾燥しない程度の水分が必要です。
栄養: 基本的に土壌中の無機成分及び有機成分を利用するため,土壌の近くに繁殖します。
温度: 種類によって低温( 10 ℃以下)に耐えられるものと,比較的暖かい環境( 20 ℃以上)でないと繁殖できないものに大別されます。
    一般的な住居の近辺で生育するこけは1520 ℃が適正温度となります。
pH:
酸性を好む種類とアルカリ性を好む種類があります。住の近くに発生するこけはアルカリ性を好む傾向があります。
空気:: 光合成を行うため空気は必須となります。
: 光は必要ですが,過度な直射日光は細胞の乾燥及び破壊を伴うため,かえって阻害要因となります。日陰の昼光が適切な光量となります。
   更に「苔類」は植物に分類されますが,植物の中では最も未進化の種類となります。繁殖は有性生殖と細胞分裂の2とおりの形態があり,環境条件によって使い分けています。
と記されています。

このケラバ瓦の場所は「苔類」の生育に適したところと言えるのでしょう。

このように、セメント瓦の上では特徴ある「地衣類」「藍藻類」「苔類」の付着が見られました。
屋根上の現場はまだまだ説明したい写真があります。その内容は次回といたします。
インターネットにあった「地衣類」の写真の続きです。
多くの写真を勝手に編集しています。
前回と同じ様に少しずつ掲載します。

      勝手に編集した「地衣類」写真そのⒺ



どうもありがとうございました。