ブログBlog

2022.03.26

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その ㉘『 地衣類・屋根上 Ⅶ 』 

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。
さて前回まではセメント瓦(モニエル瓦)を屋根面上から見た、
棟の三又部、地瓦の全体的な特徴と2種類の天窓説明、ケラバ瓦等に、
「地衣類」「藍藻類」が付着した観察でした。
今回は久しぶりに奈良盆地内の屋根上にある「地衣類」の観察になります。
下記はグーグル写真による現場位置です。
以前お世話になった会社の先輩のお家です。
大阪から生駒山を超えて、奈良の大仏殿に向かう途中です。
40年前住んでいた富雄のアパートの近所の団地です。

   生駒山を越えた奈良盆地


軽量鉄骨住宅で38年前に建築された「Kハウス」です。
屋根材は少し変わった形状をしている「かわら27型」と呼ばれて50年前にデザインされたものです。
通常のカラーベストは20枚で1(3.3m2)を施工するように設計されています。
ところが、この屋根材は27枚で1坪施工するので、単純に「かわら27型」と呼ばれたのです。
風に強い形状と言われて、九州の離島や沖縄でも採用されていました。
更に棟部役物には「同質役物ハイリッジ」と呼ばれた屋根本体と同材質材で造られたものが施工されています。
「同質役物ハイリッジ」も同様に1978年からの発売で、棟施工ではパッキン付の銅釘で固定する方法でした。
やはり地震と台風に強いとの評判で、九州の離島(奄美大島や徳之島)や沖縄でも採用されていました。
現在、瓦の一般的な施工で2001年から「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」が実施されています。
それにさかのぼる20数年前から、同様に棟包上から銅釘で固定する方法で施工されていました。
下の写真は軒先から見たものです。
上下左右1/2ずつズレており、立体的に見えるデザインです。
軒先部に周辺には薄っすらと「地衣類」が付着しています。

   屋根「かわら27型」の軒先部


棟部分のスッキリとした水平棟と三又部です。
テレビアンテナとソーラ換気棟の発電パネルが付いています。
この装置は太陽光でファンを廻して空気の移動を行います。
ファンは床下換気口に取り付けられており、床下を乾燥させる目的です。
「地衣類」はハイリッジ棟やかわら27型地瓦に付着しています。

   ハイリッジ棟・ソーラーパネルと三又部


南側のソーラーパネルから流れ落ちている箇所、
かわら27型屋根接合部からも「地衣類」の付着が見られます。
段々になった地瓦部には不連続の「地衣類」が付着しています。
このように不連続な形で「地衣類」は広まっており、なぜなのかは解明されていないとか。
不思議な生態です。

   密着した「地衣類」


北側の屋根面です。
ハイリッジ棟部から多量の「地衣類」が付着しています。

このような付着の仕方ではかなり前から少しずつ付着してきたと思われます。
付着している箇所とそうで無い箇所に縦の流れがあるようです。

   北面の「地衣類」の付着


前述のように北面の地瓦部には「藍藻類」の付着が多くあります。
立体状には凸凹がありますが、縦ラインの接合部のみが明確に分かります。
付着量に多少はありますが、やはり不連続な形です。
右端には異質の白い「地衣類」もあります。


   北側面の「地衣類」


テレビアンテナの足元です。
左側が軒先方向で、右側が棟方向です。
従って雨水は右から左に流れます。
足元から左はほとんど「地衣類」の付着がありません。
雨水の流れで「地衣類」の下層部の菌類の付着が不可能と思われます。
テレビアンテナ足元から流れた雨水跡の少し上に部はグレーの「藍藻類」あり、その上部には黄色の「地衣類」があります。
この位置で屋根の上を流れる雨の量が分かり、湿気量も分かるかもしれないような気がします。

   テレビアンテナの足元


南面の隅棟から続く剣先部分です。
棟を固定した銅釘位置から流れるように「地衣類」の無い箇所があります。
左側()の地瓦部に比較して右側(西)に「藍藻類」が多いようです。


   隅棟の「ハイリッジ」の銅釘周りの模様


1階の別の隅にあるハイリッジを見てみます。
2
階の軒下にあるので、雨掛かり無い箇所は「藍藻類」の付着は凄く少ないようです。
軒先に掛けては「地衣類」「藍藻類」のが付着しているようです。
前写真と同様に銅釘箇所から流れるように「地衣類」の付着が無い箇所があります。
前々回のセメント瓦の「地衣類」その㉖ 『 地衣類・屋根上 Ⅳ 』 にありました銅線での固定箇所と同じです。

   軒下の「ハイリッジ」釘周りの様子


固定釘の箇所を少し拡大して見ます。
ハイリッジ棟は半円形の形をしています。
この写真では左側に軒先の剣先部があるので、傾いています。
銅釘の箇所から扇状に「藍藻類」「地衣類」の無い箇所があります。
やはり銅イオンが関係していると思われます。


    銅釘周りの模様


一方、水平棟部にある銅釘固定箇所の写真です。
中心の丸い明るい箇所は銅釘の頭です。
次の緑色の円形は銅製のワッシャです。
その下にグレー色ではみ出ているのはフェルト製のパッキンです。
その周囲は「藍藻類・地衣類」も付着していないハイリッジの棟瓦地です。
次の黒い周囲は「藍藻類」ですかな。
そして黄色いダイダイゴケ「地衣類」の付着になります。
この銅固定釘はハイリッジ棟の稜線上に有ります。
従って銅釘・銅ワッシャから流れ落ちた銅イオンは
楕円形に「藍藻類・地衣類」が付着していないエリアを形成しています。

    銅釘周りの模様拡大


このように、同質役物「ハイリッジ」棟瓦の上では特徴ある「地衣類」「藍藻類」の付着が見られました。
次回も同じように「かわら27型」と「ハイリッジ」の「地衣類」の観察を行います。
インターネットにあった「地衣類」の写真の続きです。
多くの写真を勝手に編集しています。
前回と同じ様に掲載します。

    勝手に編集した「地衣類」写真そのⒻ


どうもありがとうございました。