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2022.05.07

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その ㉛ 『 屋根の霜模様 ② 』 

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。

前回ブログで線路の向こう側に「これぞ屋根降霜の見本と呼びたくなるような住宅」です。
1軒前の住宅です。
構造は在来木造の2階建て、屋根形状は寄棟のカラーベストです。
軒の出は半間(910mm)です。
2
階ベランダは中央近くににあり、防水に気を付ければ住み良い住宅のようです。
2
階の屋根にはびっしりと霜」が降りています。
1
階の屋根には、2階軒の出の箇所と少しの巾だけ屋根材には「霜」は降りていません。
軒との間には霜は無いので室内の熱の影響が強いのか。
隣の住宅のようにタルキの箇所の融霜(着霜)作用も確認されません。
室内側からの熱移動は無いのかなと考えるところです。

      木造2階寄棟カラーベスト屋根


隣に1軒、和型陶器瓦があります。
さらに次の住宅の構造は木造の2階建て、屋根形状は半切妻の陶器S瓦です。
S
瓦の地瓦山部の箇所に「霜」が付着しています。
S
瓦のケラバ瓦部、山の箇所にも「霜」が付着しています。
屋根中央部の両側妻付近の瓦には「霜」は付着していません。
軒の出箇所の屋根材にも「霜」は付着していません。
屋根材により「霜」の付着に変化があるのでしょうか。

     木造2階半切妻陶器S瓦屋根


少し進むと右側に路地があります。
グーグル写真で赤い矢印の方向を見た処です。
その奥まったところに2階建てで外壁ALC材のアパート建物があります。
その向こうに赤色楕円のターゲット
切妻屋根急勾配カラーベストの住宅があります。
グーグル写真で見ると上が東なので、見える屋根は北側になります。

     途中の路地のグーグル写真

手前の外壁ALC材アパートは外観から判断すると鉄骨2階建て建物と思われます。
外壁の縦目地を確認すると、100mm厚みのALC材です。
断熱性能は期待できる処です。
その向こうの建物は木造住宅で屋根材はカラーベスト、外壁材は窯業系サイディングです。
屋根には「霜」が付着しています。
よく見ると妻側外壁も何か模様が付いて、変色しているようにも見えます。

      2×4住宅の屋根霜模様


屋根の模様が気になりもう少し近づいて撮影したいのですが、
通勤途中なのでそれも無理です。
そして更に近づいて撮影すると屋根面が見えなくなります。
建物を観察し写真に収めるのは結構難しい事なのです。
特に屋根材は近づくと屋根面は見えなくなります。
そして妻部の外壁の模様です。
何か規則性のある模様のようです。
本当は壁だけでも近づいて写真に収めたいのですが、急いでいますので。
そういう訳で、撮影された1枚の写真を拡大して確認します。

1. 屋根の模様の特徴・流れ長さは約3.5m (19段×182mm=3.458mm)
  ①軒先部 
   ・軒には角型の軒樋があります。

   ・軒先のカラーベスト1段には「霜」が付着しています。
   ・次の一段は少し付着が少なく濃く見えます。(2×4住宅の特徴)
   ・それから上のカラーベストは同じ様に「霜」が白く付着しています。
  ②ケラバ部
   ・ケラバ端の金属役物は黒く上下のラインがあります。
    (ケラバ役物の材質はスチール鋼板です。)
   ・その横のカラーベストは300mmほどの巾で軒先から棟部までのラインがあります。
   ・次に300400mmの巾で少し「霜」の付着の少なく濃く軒先から棟部までのラインがあります。
  ➂一般部
   ・縦に455mmピッチで薄く「霜」の付着の少ないラインがあります。
   ・横に2本「霜」が薄くなっているラインがあります。
   ・この二つの接点は更に「霜」の付着が少なくなっています。
  ④棟部
   ・ケラバと同様に棟包は金属で施工されています。
   ・カラーベストと比較して熱伝導率が高いので熱の移動は速やかです。
   ・ここでは垂直に立ち上がっている箇所に「霜」は付着していないので黒く写っています。
  ⑤屋根材(カラーベスト)
   ・カラーベストは葺き足が182mmです。
   ・切り口は垂直で重ね部は少しの隙間がランダムに有り模様として表れています。
2.
 外壁の模様の濃淡
  ①柱・間柱の縦模様
   ・縦模様は約455mmピッチに白い部分があります。
   ・巾狭い箇所と24倍の部材が使用されています。
  ②外壁部材
   ・外壁には明確な縦、横の目地が確認できません。
   ・どうやらこの建物の外壁はモルタル壁のようです。
   ・実はこの模様は結露か結露水が凍ったのか、「霜」か。

     2×4 住宅の屋根霜模様拡大


さて、近鉄駅から電車に乗り大阪の勤務地を目指します。
生駒駅から少し長い「生駒トンネル」を超えます。
さて前回の奈良市の外気温度、露点温度、水蒸気圧の気象データーに
大阪市と生駒山の外気温度を加えて温度比較をしてみます。
時間は7時台で外気温度は奈良市が – 3.7℃、生駒山 - 5℃、大阪市 – 0.1℃です。
奈良市と大阪市では外気温度は3.6℃違います。
また、同時間の奈良市の露点温度は -6.5℃、大阪市の露点温度は -4.5℃です。

           大阪市、生駒山、奈良市の外気温度比較


石切駅から下りながら大阪平野を望みます。
当初は生駒山裾野から東面の屋根を観る事となります。
奈良盆地と同様に屋根には「霜」が降りています。
奈良盆地より気温が3.6℃高く露点温度も2℃高いので「霜」の付着具合も異なっています。
下の写真は石切りから下ってきた場所の写真です。
カラーベスト屋根やポリカボネードの車庫屋根に「霜」が付着しています。
かなり離れたところの屋根にも「霜」が付着しています。
おそらく「霜」の結晶形は異なるものと思います。

      石切りから下った風景

少し古い木造入母屋屋根の軒先部分に「霜」の付着が確認されます。
手前の片流れ屋根の棟部・ケラバ部にも「霜」が付着しています。
その向こうの切妻屋根の2階の軒先、下屋根の瓦棒部にも「霜」の付着が見られます。
更に向こうの2階の切屋根妻や庇にも「霜」が付着しています。


        瓢箪山近辺の風景


電車は瓢箪山に掛る手前あたりから、東花園あたりにはまだ畑があります。
畑の葉っぱの上にも「霜」が付着しています。
その横の作業小屋・機具置き場のトタン屋根にも「霜」が付着しています。
遠く昔風の文化住宅アパートの屋根にも「霜」が付着しています。

     東花園当たりの畑の「霜」



これから鶴橋方面の西に電車は向かいます。
そして朝の屋根観察は続きます。

ありがとうございました。