2022.05.28
さて今日は2007.12.27.7.15の時間からの撮影風景です。
今日の朝の気温は上記表から見ると0.1℃です。
前回の2012.02.28の気温はー3.7℃でした。
遠くから眺めると屋根に「霜」の多く降りた箇所とそうで無い箇所がハッキリとしています。
屋根面への天空からの放射冷却の強さはほぼ同じなので屋根の正面温度の違いでしょうか。
気温0.1℃の屋根の霜模様
本当はここで「放射収支量」と「水蒸気量」を計れば良いのですが、出勤途中では無理です。
そこで、2007.12.27の奈良気象台の水蒸気量(圧)を調べてみます。
前日から6~8.6hPaの間の低い水蒸気量で安定しています。
気温は1時が1.0℃で朝7時の0.1℃迄徐々に下がっています。
更に露点温度も朝1時がー0℃で、朝7時がー1℃と下がっています。
屋根材の表面で露点温度が霜点温度に変化して「霜」が降りて(着霜)していることが分かります。
おそらく屋根材の表面温度は放射冷却によりもっと下がっているものと思われます。
2007.12.27の気温・露点温度・蒸気圧
さらに同時刻の風速を調べてみます。
朝1時は風速1.7m/sで、朝7時が風速0.7m/s でほぼ風速1.0m/s以下となっています。
レーダーチャートグラフの赤色楕円部がそうです。
前日朝方には4m/s近くあった風も徐々に穏やかになり夜中からは2m/s以下となってきています。
正に「霜」が発生し易い条件が整ってきています。
2007.12.27の風速の推移
右下に小さく2012.12.28の写真があります。
前回に少し詳しく解説した屋根です。
この屋根の「霜模様」は4つの特徴があります。
1. 屋根面で「霜模様」の濃淡が3種類あります。
2. 縦ラインの模様の濃淡があります。
3. 左側には均一で一定の模様があります。
4. 平面の模様にも濃淡があります。
上記文章の中で大きく異なるのは 3. になります。
実は左端のタルキ間2列(半間)はこの5年の間に増築されているのです。
この部分は他の箇所と異なり軒先から棟迄同じように「霜」が降りています。
そこでこの部分は軒先から棟まで2階居室から熱が伝わらない構造にされているのが分ります。
一番興味あるのは 「 4. 平面の模様にも濃淡があります。」. です。
一般部が極端に白く多く「霜」が降りた部分とそうで無い部分があります。
そして 「 2. 縦ラインの模様の濃淡があります。」です。
この縦ラインは建築構造的にはタルキと呼ばれる屋根の野地板を固定している木材となります。
屋根面に多く「霜」が降りている箇所ではこのライン部分は濃く見えます。
屋根面に「霜」が少ない箇所はこのライン部分は白く見えます。
何故このような現象が起こるのか、もう少し良くこの二つの写真を観察して見ましょう。