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2022.06.11

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その ㉟ 『 屋根の霜模様 ⑥ 』

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。
さて今回は右横のB邸住宅です。
まずA邸と同様に①2007.12.277時台で気温 0.1℃で良く写真を見ると既に後ろの方は日が当たっています。
そして「霜」の付着具合見ると以下の3枚の写真では一番少ないように見えます。
切妻で3.5寸・5寸の2種類の勾配の屋根があります。
左側3.5寸勾配屋根には均一に「霜」が降りています。
右側5寸勾配の屋根には変形した模様の「霜」が降りています。
隣の屋根に比較してこれらの写真ではどちらも「霜」が多く降りているように感じます。
この写真からは見取られませんが左のA邸に比較して、
全面の住宅の高さの影響で屋根への日当たりが少ないようです。

  ① B邸 2007.12.27 の屋根写真


さて、屋根の縞模様の原因は何でしょうか。
後日散歩の途中に注意して見ると。
右側の大きな屋根の長い流れのお陰ですが、
妻壁に色々な窓が複雑に配置されているのです。
この複雑さが野地板の温度に影響していると思われます。
これは驚きですね。
おそらくこの箇所は解放感のある勾配天井等も複雑に絡んでいると思われます。
勾配天井は室内の熱が逃げ易く、暖房効率の悪い処となります。
又、「霜」の付着の多い箇所は野地板の温度の低い処となります。
その為やはり外気の入り込んでいる場所と思われます。

      B邸の妻部の窓の状態


そして➂2011.01.228時台で気温 2.0℃の時の写真です。
2007.12.27より少し「霜」の付着量が多いようにも見られます。
前回のグラフでは赤くて太い破線です。
午前1時には-0.7℃の気温が午前3時には-0.4℃まで上がり午前4時には急激に-1.4℃迄下がっています。
それから徐々に上がって午前6時には0.7℃と7時にはほぼ同じの0.7℃となっています。
1
時から7時までの「霜」の着き具合の「着霜曲線」は上がったり下がったりと蛇行しています。
「着霜曲線」がこのような曲線を描くのは非常に珍しいのではないかと思います。

同じような時間帯でも、全体的に画面は①より明るくなってきています。

   ③ B 邸 2011.01.22 の屋根写真


さて今回の調査で一番気温の低い④2012.02.287時台で気温 -3.7℃の写真を見てみましょう。
気温が低いので、少し太陽が当たって来ても「霜」の付着はしっかりしているようです。
2007.12.277時台で気温 0.1
2011.01.228時台で気温 2.0
よりはかなり多くの「霜」が付着しています。
上のグラフではオレンジ線です。
午前1時には-2.2℃の気温が徐々に下がり午前6時には-4.1℃迄下がっています。
午前1時から6時まで「霜」は徐々に付着していると思われます。
全体的に気温は低く「着霜曲線」も午前6-4.1℃に向かって徐々に下がっています。
気温とともにもう一つ大事なのは何月何日かという事です。

そうです。12月の当時の日から徐々に日の出が早くなり撮影時間により太陽の高さが変わることです。


    ④ B 邸 2012.02.28の屋根写真


前回にお話しした「着霜曲線」は霜層の成長および霜結晶の変化に影響がある中に、
着霜面の状態は
①表面となる冷却面表面の温度
②表面を流れる空気の温度・湿度
➂空気の流速
④庄力(気圧・水蒸気圧)
⑤冷却面形状
⑥寸法や姿勢.(傾き)
⑦冷却面表面の粗さ
➇濡れ状態
等が影響していると言われています。
その中で②表面を流れる空気の温度・湿度
に関わる項目が「露点温度」と風速です。
2007.12.277時台で露点温度 -1
2008.02.157時台で露点温度 –4.1
2011.01.228時台で露点温度 -2.5
2012.02.287時台で露点温度 -6.5
となっています。
この中で2008.02.157時台で露点温度 –4.1の写真があるのはA邸だけです。
B
邸が無いのは残念です。
下のグラフで緑色楕円部が「霜」の発生する時間帯となります。
この中で「着霜曲線」が最も有効そうなのは赤色実線の2008.02.15の様です。
他の日は「着霜曲線」が微妙に上下しているように見えます。
一般的に言われている「霜」発生の時間帯は
「気温は徐々に下がり、水蒸気圧は安定している」のはどこまでの事なのか。

まだまだデーターは沢山あるので少しずつ探っていきたいと思います。

               2007.12.27、2008.02.15、2011.01.22、2012.02.28 の露点温度℃


近鉄線路沿いに少し下って行くと
中程に2軒ほど全く同じデザインの住宅があります。
左側の住宅をC邸、右側の住宅をD邸とします。
テレビアンテナの位置で異なる住宅と分かります。
住まい方の違いで、屋根上の「霜模様」を観察することが出来ます。
左右の写真を比較すると、(上記の文章は初回の文章と同じです。)
左側のC2階シャッターは全て締まっています。
右側のD2階シャッターは真ん中だけ開けています。よく観察すると右側屋根の「霜」の付着量が多いようにも見えます。
   
  ① C 邸 2007.12.27 の 屋根写真              ① D 邸 2007.12.27 の屋根写真



これらの建物をグーグルで拝見してみます。
北側の屋根には天窓が3箇所付いています。
水平棟には各々の棟に換気棟が3箇所付いています。
これらの付属物が「霜」の縞模様にどのように影響を与えるか興味のある処です。

         D 邸のグーグル写真


左側 C邸 2階のシャッターは左側だけ締まっています。
すなわち真ん中と右側のシャッターが開いています。
右側 D邸 2階のシャッターは真ん中だけ開けています。
よく観察すると右側屋根の「霜」の付着量は①と同じように多いようにも見えます。
又、C邸 D邸 とも真ん中の大屋根の両妻部棟巴近くの「霜」の付着が少ないように見えます。
更に左側の屋根には縦に縞模様が少し濃く見えるように思われます。
シャッターが一つ多く開いている、人の気配の関係でしょうか。
   
   ③ C 邸 2011.01.22 の屋根写真              ③ D 邸 2011.01.22 の屋根写真


下の写真は前の写真よりC邸 D邸とも「霜」の両が多いように見えます。
又、2011.01.22と同じ様に左側 C邸 2階のシャッターは左側だけ締まっています。
すなわち真ん中と右側のシャッターが開いています。
右側 D邸 2階のシャッターは真ん中だけ開けています。
よく観察すると右側屋根の「霜」の付着量が①➂と同様に多いようにも見えます。
又、C邸 D邸 とも真ん中の大屋根の両妻部棟巴近くの「霜」の付着が少ないように見えます。
更に左側の屋根の縦の縞模様が「霜」の両が多いため濃く見えるように思われます。
    
    ④ C 邸 2012.02.28 の屋根写真             ④ C 邸 2012.02.28 の屋根写真


やはり全部の写真の中で一番気温の低い日なのでしょうか。
更にこの屋根には水平棟に各々換気棟が装着されています。
これが微妙に屋根の表面温度に関係するのは当然ですよね。
CD邸はこれ位にして、もう一軒気になる住宅に進みます。

ありがとうございました。