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2022.06.25

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その ㊱ 『 屋根の霜模様 ⑦ 』 

顧問の坪内です。

いつも池本工務店の事業にご支援・ご協力いただきまして、ありがとうございます。
さて今回はかなり駅に近づいて来た処の線路向こうにある住宅です。
この住宅は E邸と呼びます。
まず、グーグル写真で見ますと、切妻の棟違いのある住宅です。
北側には三角形のドーマーがあります。
軒はかなり深く出て、それに比較すればケラバの出は少ない様です。
大棟には換気棟の1Pが一つ設置されています。
全体から考えると換気量はもう少し欲しいところです。
この写真では分りませんが窓の配置やポーチ柱から考えると、
住宅のタイプは 2×4住宅の様に見えます。
そして、妻壁の頂部近くの真ん中には換気ガラリが設置されているようです。
この位置にある換気ガラリは時として機能しないことがあります。
なぜなら通常この箇所には棟木を受ける柱があるからです。
外から見るとガラリに見えますが中は塞がれていて、
小屋裏結露を発生している建物が時々あります。

      E 邸 の 屋根グーグル写真


まず他邸と同様に①2007.12.277時台で気温 0.1℃での写真です。
写真を良く見ると何となく全体に日が当たっています。
そして「霜」の付着具合見ると他の2枚の写真と比較して一番少ないように見えます。
屋根四周の「霜」の付着具合を見ると、ケラバ部に比較して
軒先部がかなり白く「霜」が付着しているように見えます。
屋根中央部左の落ち棟に続くケラバの箇所に
半間ほど入り込んで「霜」の付着の多い箇所があります。
そして、前述の C邸、D邸と同様に換気棟が付いていることです。
C
邸、D邸は換気棟周辺の屋根で「霜」の付着量に変化があるような写真でした。
即ち換気機能により「霜」の付着量により差が発生するのです。
それに比較してこの写真では水平棟近くは、
全体に「霜」の濃淡が少なく、温度変化が少ないようです。
縦に白く「霜」の付着の多い箇所があります。

良く見ると窓サッシュの大きさの半分で、半間(910mm)ピッチにあるようです。
通常、屋根野地板の受け材としてのタルキは450455mmピッチで入れるのが多く、
大きく飛ばす(間隔を広げる)と野地板の撓みが大きくなり、
屋根材の割れに繋がります。

    ① E 邸 2007.12.27 の屋根写真


そして➂ E2011.01.22 の8時台の屋根写真です。
夜中から朝方に掛けて「着霜曲線」は4時頃まで下がり、
徐々に気温は上がっています。
さらに屋根前面に薄っすらと陽が当たっています。
屋根面での霜模様はハッキリとしています。
野地板部、タルキ部もかなり白くなり、くっきりとタルキ跡が確認されます。
軒先部もハッキリと横ラインが出来ています。
ケラバ部もハッキリと縦ラインが出来ています。
換気棟の廻りも何ら変化の無いのが気になります。

    ③ E 邸 2011.01.22 の屋根写真


さらに④ E2012.02.28 の7時台で外気温が-3.7℃の屋根写真です。
全部の写真の中で最も気温の低い日の写真です。
屋根全体か濃く「霜」に覆われています
2011.01.22
 の屋根写真では屋根に「霜」模様があったのが無くなっています。
全体的に「霜」の付着が多いせいでしょうか。

   ④ E 邸 2012.02.28 の屋根写真


下記グラフは最初のグラフに 2014.01.16・2014.12.24の気温を付け加えたものです。
2012.02.028と2014.01.16は気温が丁度2℃差程度で、よく似た曲線を描いています。
又、2014.12.24の外気温は夜半から0℃以下にならずに7時台の気温が0.9℃で
同じく2007.12.27の外気温も夜半から0℃以下にならずに7時台の気温が0.1℃です。
どちらも気温は0℃以下ではなく、「着霜曲線」がよく似ています。

       2007.12.27・2011.01.22・2012.02.28・2014.01.16・2014.12.24の外気温の変化グラフ  


2012.02.28と比較すると7時台の気温は2℃ほど高めですが、
「着霜曲線」がよく似た2014.01.167時台の屋根拡大写真を見てみます。
興味あることに「霜」の着霜模様が良く似ています。
更に良く観察するために次に右側に2012.02.28 屋根 の拡大写真を比べてみました。

  ⑤ E 邸 2012.02.28 の屋根拡大写真


微妙な差は有りますが他の写真に比較して両写真はよく似ています。
「着霜曲線」がよく似ていれば、「霜」模様よく似て来るのなら興味のある処です。

  ④ E 邸 2014.01.16 の屋根拡大写真


そして2014.12.24の外気温は夜半から0℃以下にならずに7時台の気温が0.9℃の写真です。

屋根四周の「霜」の付着具合を見ると、ケラバ部に比較して
軒先部がかなり白く「霜」が付着しているように見えます。
他の写真に比較するとあまり濃くない「霜」の着霜具合ですが、
広いタルキ間隔で、窓サッシュの大きさの半分で、半間(910mm)ピッチです。

  ⑥ E 邸 2014.12.24 の屋根拡大写真


そして下が2007.12.27の外気温も夜半から0℃以下にならずに7時台の気温が0.1℃です。
他の写真に比較して、よく似た「霜」の着霜具合です。
この写真も「着霜曲線」がよく似ていれば、「霜」模様よく似て来るのなら更に興味のある処です。

  ① E 邸 2007.12.27 の屋根拡大写真


前回にお話しした「着霜曲線」は霜層の成長および霜結晶の変化に影響があると。
着霜面の状態は
①表面となる冷却面表面の温度 ②表面を流れる空気の温度・湿度 ➂空気の流速 ④庄力(気圧・水蒸気圧) ⑤冷却面形状 ⑥寸法や姿勢.(傾き) ⑦冷却面表面の粗さ ➇濡れ状等 等が影響していると言われています。
その中で➂空気の流速についてデーターを調べて見ます。
下記グラフは2007.12.26・2008.02.15・2011.01.222012.02.28の一日の風速を調べたものです。
黒色破線楕円部を見ると、朝0時から2011.01.22日の6時台を除き7時までは、ほぼ1m/s以下となっています。


                      ③ C 邸 2011.01.22 の屋根写真


一般的に表現される事象をデーターで確認出来る事は「なるほど。なるほど」となる訳です。
今回はこのへんで。

どうもありがとうございます。