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2022.07.02

住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その ㊲ 『 屋根の霜模様 ➇ 』

顧問の坪内です。

先週は連日暑い日が続き、思考回路もショート気味でした。
そんな言い訳をしながら、プログの間違いを箇所の修正お願いします。
写真説明文の初めから 6枚目の写真 ④ E邸 2012.02.28  → ⑦ E邸 2014.01.16 に
一番最後のグラフの説明文 ➂ C邸 2011.01.22 の屋根写真 → 2007.12.26 2008.02.18 2011.0122 2012.02.28 の風速(m/s)  に修正をお願いいたします。

さて、暫らくの間は
2017.02.13
14
2017.02.14.
15
2017.02.15
16
3日間の『 屋根の霜模様 』を見ていきます。
いまから5年も前の写真です。
4
軒の住宅の屋根を3日間同じアングルで写真を撮っています。
今写真を見ると良く毎日連続で降霜の日があったなと思うところです。

お気楽に降霜のブログを書いていますが、
「霜」が直接日々の仕事に影響を与え、真剣に取り組まれている仕事の一つに鉄道の架線着霜があります。
公益財団法人 鉄道総合技術研究所で「架線着霜発生予測プログラムの開発」
の中に興味ある論文があるので紹介し、以降の観察に参考にしたいと思います。 (以下の青字箇所です)


1.はじめに

 気温が低く,かつ相対湿度が高い冬の晴れた夜間には電車線(架線)に霜が付着し,成長することがあります.
このような着霜が発生した区間を電車が走行すると,パンタグラフと架線との間に介在する霜により離線が発生し,これに伴うアーク放電のためにパンタグラフが損傷したり,集電障害による列車遅延の原因となることがあります.
こうした障害の低減対策として,霜取りカッターや無集電パンタグラフを搭載した『霜取り列車』と呼ばれる臨時列車の早朝運行等が行われています.
これらの対策を効率的に行うためには,架線着霜の発生予測が重要となります.

現状では,地域ごとの過去の架線着霜発生日の気温,湿度,風速,天気等の気象条件の記録から経験的に霜の発生を予測して,これらの対策を実施していますが,予測精度にばらつきが大きいため,より簡便で精度の高い架線着霜の予測手法が求められていました.

そこで,霜の発生メカニズムに基づいて,観測機器を設置することなく翌朝の架線着霜の発生を精度よくかつ簡便に予測する架線着霜発生予測プログラムを開発しました.

2.霜の発生メカニズムと架線着霜発生日の特徴
  夏にコップに冷水を注ぐと,コップの表面には結露が生じます.
これは,冷水で冷やされたコップの表面温度が露点温度に達して空気中の水蒸気がコップ表面に凝結するためです.
架線に発生する霜についても,これと同様のメカニズムで発生します.
つまり,放射冷却の影響で架線表面温度が霜点温度以下となり,空気中の水蒸気が凝結して霜が発生します.
このように,架線着霜の発生メカニズムを知る上では,架線近傍の水蒸気に注目する必要があります.

一般に,ある温度の水蒸気濃度(単位体積あたりの空気に含まれる水蒸気量)には上限値があり,これは飽和水蒸気濃度と呼ばれ,各温度での湿度100%に対応します(図1).
霜または露は水蒸気濃度が飽和に達した時点(図中の点B:霜点温度もしくは露点温度)から発生するため,飽和水蒸気濃度曲線をはさんで左上は水蒸気濃度が過飽和となって霜または露が発生する領域,右下は水蒸気濃度が未飽和のため霜または露が発生しない領域を示します.

霜または露は過飽和分の水蒸気(図中の点C’と点Cとの差)が凝結して発生します.




    図1 温度と飽和水蒸気濃度との関係

観測期間の典型的な架線着霜発生日について,気温と湿度から水蒸気濃度を計算し,架線着霜の発生状況と比較しました(図2).

その結果,晴れた夜間のように放射冷却が強い日は,
霜点温度よりも架線温度が低くなって架線表面付近の水蒸気が過飽和となる時間帯と架線着霜が観察された時間帯が一致しています.
このことから,架線着霜も霜の発生メカニズムに基づいていることがわかります.

また,
水蒸気濃度の変化を見ると,前日夕方から水蒸気濃度はほぼ一定であることがわかります.
このような特徴は架線着霜の発生予測を行う上で重要となります.


   図2 架線着霜発生日の気象状況の変化


3.架線着霜発生予測プログラム

 架線着霜の予測手法では,天気予報から
放射冷却が起こるような「晴れまたはくもり」の天気となるか?,
予想最低気温は架線着霜が発生する気温Ta℃以下となるか?,
水蒸気濃度が過飽和となるか?の3段階で架線着霜の発生の有無を予測します.

ここで,夕刻の水蒸気濃度a1は,気温と湿度から計算可能であり,翌朝まで変化しないことを仮定しています
架線温度は放射冷却によって予想最低気温よりもβ℃低くなっていると仮定し,この予想最低架線温度に対する飽和水蒸気濃度a2を求めます.従来の予測手法では,天気,気温の他,湿度,風速などの予報値が必要ですが,本手法に必要な入力要素は,夕刻の気温と湿度の実測値,翌朝の天気と予想最低気温の予報値の4つのみです.この予測手法をWindows PCで動作する「架線着霜発生予測プログラム」としてまとめました(図3).

      図3 架線着霜発生予想フロー



さてこれらの現象を冒頭の
2017.02.13
14
2017.02.14.
15
2017.02.15
16
3日間の 『 屋根の霜模様 』 と気象データーから見てみましょう。
下記は「霜」観測日の前日18時から当日24時までの、
外気温と水蒸気圧の1時間毎のデーターです。
水蒸気圧は3日間ほぼ5hPa前後で推移しています。
外気温は前日18時から徐々に2時頃まで下がり、2017.02.15のみが2時から上がっています。
今までは赤色破線楕円部の午前0時から7時のデーターを中心に見ていました。
前日の夕方からの気温の下がり具合は着霜曲線にふさわしいものと言えます。

            2017.02.13~14・2017.02.14~15・2017.02.15~16 の気温(℃)・水蒸気圧(hPa)


そこでA邸の2017.02.14の写真を見てみます。
63120秒です。
手前の電柱には外灯が点灯しています。

     A 邸 2017.02.14 屋根模様


全体に薄っすらと「霜」が付着して、いつもの小屋裏表部屋根は白くなっています。
タルキの箇所の「霜」の付着は少なく、何もない小屋裏の垂木か所には少し多く「霜」が付着しています。
ケラバ部、軒先部にも若干薄く「霜」の付着が見られます。


     A 邸  2017.02.14 屋根拡大


そして、2017.02.15日、朝63416秒の写真です。
手前の電柱には前日と同じように外灯が点灯しています。

     A 邸 2017.02.15 屋根模様


いつもの小屋裏表部屋面の野地板の箇所だけ白くなっています。
タルキの箇所の「霜」の付着は無いように見えます。
何もない小屋裏のタルキ箇所には所々に少し「霜」が付着しています。
ケラバ部、軒先部にもわずかに付着が見られます。

     A 邸 2017.02.15 屋根拡大


更に、2017.02.16、朝63922秒の写真です。
今日は外灯が点灯していませんでした。
5分の差で点灯が有る無しなのは明るさなのか、時間なのか。

     A 邸 2017.02.16 屋根模様


1415日に比較してかなりの量の「霜」が付着しています。
この A邸の特徴である箇所にかなりの量「霜」の付着が有ります。

      A 邸 2017.02.16 屋根拡大


次回は「架線着霜発生予測」を参考にして屋根の着霜を見ていきます。

どうもありがとうございます。