2022.07.16
顧問の坪内です。
前回は電車における架線への「霜」付着について興味ある条件を知ることが出来ました。
更に調査を進めると農業における「霜」被害も深刻です。
明治大学大学院農学研究科澁谷和樹氏と明治大学登尾浩助氏がまたまた興味ある論文「霜の形態を決定する環境条件として」と題して出されていますので少し拝借して説明します。(下記青字・赤字)
今回は2017.02.14~2017.02.16のD邸の屋根模様を見てみます。
まず下記写真 D邸は2017.02.14日朝6時35分12秒です。
C邸と同じように、手前の少し低い道路から見上げています。
電線が沢山あり、その向こうには近鉄電車の架線もぶら下がっています。
D 邸 2017.02.14 遠景
D邸の外観です。
この住宅は中央に窓が3箇所あります。
3つの窓のシャッターは全て閉まっています。
隣のC邸はシャッターが中央と右側の2つが開いていました。
このシャッターの開閉が屋根野地裏の温度に影響を与えているのではないかと、
考えるのは私だけなのでしょうか。
D 邸 2017.02.14 外観
この住宅の特徴は水平棟の3箇所に換気棟が設置されている事です。
換気棟が設置されていれば、換気棟からは熱気と湿気が自然と排出されて、
周囲の野地板は乾燥し、温度は低くなります。
ただし換気棟排気口周りは暖気で温められます。
そのような微妙な温度分布がこの写真から読み取れるか
人気が無く、小屋裏の温度分布は少ないのでしょうか。
D 邸 2017.02.14 屋根模様
次に2017.02.16のD邸の屋根模様を見てみます。
まず下記写真 D邸は朝6時43分18秒です。
手前の少し低い道路から見上げています。
電線が沢山あり、その向こうには近鉄電車の架線もぶら下がっています。
C邸の外観です。
この住宅は中央に窓が3箇所あります。
真ん中の窓のシャッターが上がって、開いています。
前日2日間は全ての窓のシャッターが閉まっていました。
このシャッターの開閉が屋根野地裏の温度に影響を与えているのではないかと、
考えるのは私だけなのでしょうか。
それとデーターでは前日2日間と比較すると気温は低いようになっています。
D 邸 2017.02.16 外観
前日の2日に比較して屋根上の「霜」の付着はかなり多いようです。
最低気温は2017.02.14日が-0.6℃、2017.02.15日が1.6℃、2017.02.16日が-1.6℃です。
この住宅の特徴は水平棟の3箇所に換気棟が設置されている事です。
換気棟が設置されていれば、換気棟からは熱気と湿気が自然と排出されて、
周囲の野地板は乾燥し、温度は低くなります。
この屋根の「霜」の付着具合はC邸とは少し異なるようです。
C邸は換気棟の設置されている中央部に「霜」の付着が多いように見られました。
このD邸は中央部のタルキ部に「霜」の付着があり、野地板部は少ないようです。
そのような微妙な温度分布がこの写真から読み取れるのです。
全体的に縦ライン即ちタルキ位置ラインが薄っすらと見られます。
両側落ち棟水平部のケラバ部付近には「霜」の付着少し少ないように見られます。
更に両側の閉鎖的な壁の影響で、軒先部の野地板には「霜」の付着が多いようです。
いろいろな条件が野地板等温度分布に影響して「霜」模様を描いています。
D 邸 2017.02.16 屋根模様 C 邸 2017.02.16 屋根模様
文章を並べて表現するとその差があまり感じられなく思われます。
しかしC邸とD邸の屋根を並列に並べて比較すると明確に差が出ます。
次回は「3日間の相対湿度・露点温度等のグラフ」を参考にしてE邸の屋根の着霜を見ていきます。
どうもありがとうございます。