2022.10.29
顧問の坪内です。
前回は200.02.03の我が家の雪景色と風向・風速の話から
石垣「生駒石」とモニュメント「四神」の話に脱線しました。
そして当日は北北西の風が吹いていたとのデーターでしたので、
我が家の南側の庭には雪が少なく
縁側も少し濡れた程度です。
縁側のある南面庭
この縁側にも少しの拘りがあります。
通常、和風屋根にする場合の樋は丸樋です。
ところが丸樋は断面積が少ないため、
落とし口付近の軒樋を低くする必要があります。
軒樋を水平に保ちながら竪樋を見えなくししたいのです。
和風の軒樋の納まりでは軒樋金具には鼻隠しが邪魔になります。
そこで専用の軒樋金具(鶴くび)を作る必要があります。
専用つるくびの軒樋
写真は正面玄関の寄席棟屋根と南北に長い2階の切妻部です。
ここの写真の中にある拘りの施工箇所です。
1.竪樋の納まり
2.見えない野地裏(2段破風)
3.ケラバの納まり
4.棟巴の納まり
5.軒樋の金具(前段で説明)
6.寄棟面戸の納まり
7.ソーラー換気棟
8.軒天塗装87.軒樋の金具
9.玄関ポーチの納まり
10.外壁テーター収集の温度湿度センサー
さてまず 1. 竪樋の納まりの納まりです。
①竪樋は通常「でんでん」と呼ばれる竪樋金物で固定します。
②下の写真では竪樋はポーチ壁の中に入っています。
③そうです、このボーチ壁は柱を2本使用し、
その真ん中に竪樋を入れて落としています。
雪のある玄関屋根
2.見えない野地裏 (2段破風)
①この写真からは見えませんが、野地裏は遮熱通気施工としています。
②軒先から多くの空気を入れるため、タルキを大きく前に出し、軒を2重にしています。
3.ケラバの納まり
①通常、和瓦の屋根リフォームを行う時はケラバの通りが悪いので破風を大きくする必要があります。
②ここでは2段破風にして、軒先とケラバの納まりを解決しています。
③和型の屋根の場合ケラバの納まりは洋風と異なり、左右各々のケラバ瓦があります。
④洋風のケラバは左右兼用のケラバ瓦を使用します。
⑤この場合左右異なるフリーリッジ専用ケラバを使用しています。
4.棟巴の納まり (前の写真)
①よって、棟巴はカラーベストを切断して五角形にしたものを使用します。
以上の拘りがこの写真にはあります。
拘りの軒先納まり
5.軒樋の金具 (前々段で説明)
6.寄棟 (水平棟・隅棟 )面戸の納まり
①この屋根材は波型です。
②従って棟との取り合いは面戸と呼ばれる半円形の空間があります。
③この空間は通常は漆喰で固めます。
④漆喰は湿式なので自由な形で納まります。
⑤水平棟の赤色矢印箇所はほぼ同じ形になります。
(金属で同じ形の形状が簡単に作れます。)
(自分で作り、職人さんに嵌めてもらいました。)
⑥隅棟部の黄色矢印箇所は各段毎に異なる形になります。
(各段毎に形取りゲージで形状を計る必要があります。)
7.ソーラー換気棟(黄緑色矢印)
①太陽が出ている時 (ソーラー発電で) モーターが廻ります。
②通常は自然換気で、モーターが廻れば4倍量の空気を動かすことが出来ます。
換気の話は、紙面が足りませんので又の機会にお話しします。
以下、壁の話も又の機会にお話しします。
8.軒天塗装
9.玄関ポーチの納まり
10.外壁テーター収集の温度湿度センサー
ソーラー発電屋根と雪化粧
奈良地方には大和棟という屋根の形があります。
屋根の形は急勾配の切妻です。
残念ながらこのお家は緩勾配4.5寸です。
中央の部分は一段落ちた茅葺きで施工します。
この部分に太陽光パネルを嵌めてみました。
ケラバ部分は和瓦で葺きます。
太陽光パネルの設置には「屋根一体型」と「据え置き型」があります。
「据え置き型」では屋根面からパネルが飛び出します。
大和棟と同じにするには「屋根一体型」となります。
更に難しいのが、太陽光パネルと瓦の葺き足です。
太陽光パネルに合わすと瓦の段数が多くなります。
実は最初の「雪のある玄関屋根」の写真では、
2階屋根の左右ケラバの段数が異なっているのが分ります。
大和棟に似せたパネル設置の屋根
2階窓から見た南側風景です。
150mほど離れた処には東西に「とりみ通り」があります。
この通りは阪奈道路の旧鳥見インターから富雄駅に通じています。
この通りには、近年有名になった奈良一番の美味しいラーメン屋 「四つ葉」。
焼き方が絶品のお勧めの鰻屋 「豊川」 があります。
雪の降りしきる南側風景
家の東南に位置する浄水場の管理棟です。
陸屋根と前面庭に積もった雪で、積雪量が分ります。
この左側前方には2週間前に行われた、
冬の奈良名物 「若草山の山焼き」 が見えます。
管理棟に積もった雪模様
いつもの斑な霜模様の急勾配の屋根です。
真っ白な雪のキャンパススです。
よく見ると左上の小屋裏のある屋根の箇所が、
他の箇所より白く見えます。
やはり室内からの熱は休みなく伝わっているのですね。
小屋裏のあるお家の雪模様
駅近くの勾配屋根マンションです。
屋根中間部の雪が斑に解けています。
室内からの熱気が微妙に伝わっているのが分ります。
雪が融けて斑になっているマンション
我が家の拘りの箇所と「雪景色」いかがでしたでしょうか。
仁徳天皇に「民のかまど」の話がありますが。
私は「屋根の雪模様」を見て考え深いものがあるというお話ですね。
どうもありがとうございます。