ブログBlog

2022.12.17

建物の外部被害に関わる資料 その 4 『 竜巻 ④ 』

顧問の坪内です。
先々週は私もコロナに感染し休養を頂きました。来週で今年も終わりなので、ブログも今回で冬休みです。
さて、今回も喜々津
仁密氏、奥田泰雄氏の両氏が書かれた「建設省と建築研究所の館林竜巻被害の調査報告書」の地図と内容を少しお借りします。(前回と同様に青字は調査報告書の内容です)
今回も同じように竜巻被害の内容をチェックしたいと思います。
下記図は両氏の報告書に添付されていた竜巻被害地区の地図です。(再度使わせていただきます)
赤い四角枠の箇所は被害の大きかった材木屋周辺です。

  4調査対象範囲(図中の数字は後掲の写真番号を表す)


上記地図の赤色四角枠をグーグル写真で見てみます。
喜々津
仁密氏等の報告書で示された 写真 16の建材店が黄緑星印で示されています。
そして次のグーグル写真で示された箇所が緑色の四角枠です。
その緑色四角枠で囲った箇所を
「毎日新聞」の報道写真が多く撮影しています。
この写真は私を含め屋根に興味ある人には非常に貴重なものです。
屋根の施工法、小屋裏環境(結露の有無)等が観察できるからです。
写真を無断で使用のお許しを得て、順次解説したいと思います。

     
写真16の被害建材店の位置


「館林竜巻被害の調査報告書」に掲載されていた 写真16の被害建材店は下記(青枠写真)です。
鉄塔の一部が倒れ、後ろの倉庫の壁が破損しています。

      写真16の被害建材

 

現在のグーグルストリートビューの様子です(緑色枠の写真です)
今は綺麗に整備されています。
右端奥の建屋が当時の被害物件です。


       写真16の被害建材


さて次に緑色四角枠で囲った箇所のグーグル写真です。
①赤色楕円部は材木店の屋根
②紫色楕円部は平板セメント瓦屋根
➂オレンジ楕円部は石綿スレート(住宅平板スレート)瓦屋根
④ワイン色楕円部はセメント瓦屋根
⑤茶色楕円部は陶器瓦屋根
⑥緑色楕円部はブルーシート屋根(驚くことに既にこの1軒だけがブルーシートを施工しています。)
⑦黄色楕円部は銅板屋根
➇グレー色楕円部は陶器瓦屋根
です。
現在のグーグル写真では
➂オレンジ楕円部石綿スレート瓦屋根
④ワイン色楕円部セメント瓦屋根
当時の「毎日新聞」報道写真で確認するとこの2軒は撤去されて現在はありません。


      2022.年グーグル写真


下の写真はグーグル写真を東の方から「毎日新聞」報道写真のものです。
目的とする8軒の被害屋根が撮影されています。
被害に遭われたお家にはお見舞い申し上げ、
資料として使用させていただきます。
まず初めに手前材木店の赤い楕円の屋根です。
8
軒の被害屋根の中でこの1軒だけの屋根材を特定しなかったのですが。
今までの経験から屋根材を決定すると以下の情報ではないかと考えます。
①屋根材はカラーベスト系(住宅平板スレート)屋根材


     2009.年の毎日新聞報道写真


下記が喜々津仁密氏等、の「建設省と建築研究所の館林竜巻被害の調査報告書」に添付されていた写真です。既に簡易足場が組まれて、軒先あたりには監督さんがいます。
建屋の反対側からは、重機で材料が屋根に上げられ、
屋根の上には職人さんが一人で、タルキで下地を組んでいます。
そして、ガードマンが車を誘導しています。


       写真 15 の材木店


下の写真は初めの「毎日新聞」報道写真の赤い楕円部を拡大したものです。
上の報告書に添付されていた時間よりも少し前に撮影されたものと分かります。
この倉庫の被害を観察すると
建物は切妻屋根の木造トラス構造で、後側(西側)が一段高くなっています。
右側即ち北側の屋根は高い箇所、低い箇所とも下地タルキ部から飛散しています。
左側即ち南側の屋根は高い箇所は屋根材が飛散しています。
低い箇所は屋根材が全て残っています。
通常、カラーベスト系屋根材は屋根釘で野地板に固定されています。
更に防水層として、アスファルトルーフィングが施工されています。
もしもこの屋根材がカラーベスト系なら、釘が抜けて屋根材が飛散したことになります。
防水層のアスファルトルーフィングがどの程度残っていたかが興味ある処です。
そして、手前の低い屋根の箇所は健全で何の被害もありません。


    2009.年の毎日新聞報道写真拡大


更にこの倉庫を北側から撮影した写真を見てみましょう
右側南西部の屋根がバラ板野地のカラーベスト屋根なら、
ケラバ部野地板の腐朽具合から雨水が廻った跡が確認されます。
全て、竜巻発生からの時間経過と復旧度合いの関係に関わる事です。

  2009.年の毎日新聞報道写真拡大


下記写真は2022年ストリートビューの材木店の外観です。
綺麗に復旧整理されています。
いつでもお正月が迎えられそうです。

    2022.年グーグルストリートビュー写真


このように被害後、復旧中、復旧後を比較することは
建築の構造、強度、経年劣化具合など知ることが出来て興味あることとなります。
まだまだ続きます。

今年も、私だけが面白しろがっている屋根のお話にお付き合い頂きどうもありがとうございました。
来年も宜しくお願い致します。