2023.01.07
下記は2009.年7月27日の毎日新聞の報道写真の一部を拡大したものです。屋根材は陶器平板瓦か、セメント平板瓦です。
隅棟コーナーを板金系役物で施工した寄棟屋根住宅です。
屋根被害は隅棟コーナー部と一般地瓦の一部が飛散しています。
今から30年前の平板瓦系の施工法は
一般地瓦部で3段に1枚しか釘留めはされていません。
(住宅金融公庫仕様)
又、隅棟コーナー役物は各段ごとに釘留めされています。
毎日新聞報道写真の一部
この住宅の屋根を2012年のグーグルで見てみましょう。
前面の高架バイパスの上から撮影したものです。
屋根被害箇所を補修した跡が確認されます。
この住宅は国内では著名な軽量鉄骨系プレハブメーカーのものです。
この屋根材は既に廃業したセメント瓦で、モニエル社「ホームステット」です。
この屋根材は昭和60年頃に開発されて、
平板系厚型屋根材の先駆けとして流行したものです。
隅棟部と一般部で補修された箇所が光っています。
2012年のグーグル写真
下記写真は同アングルから2021年に撮影したグーグル写真です。
補修した屋根材にも「地衣類」が付着して<全体としてあまり目立たないように見えます。
バックにある住宅もほぼ同じ位置に見えます。
2021年のグーグル写真
そして2022年現在の住宅を撮影したものです。
少し逆光の写真なので、屋根は見え辛く、被害箇所は分かりません。
何事もなかったような佇まいです。
2022年のグーグル写真
2022年現在を西側から見たグーグル写真です。
屋根は何事もなかったような状態です。
2022年のグーグル写真
2009年7月.27日の毎日新聞の報道写真で東から見た5件の屋根です。
右手前から➂オレンジ色楕円部石綿スレート(住宅平板スレート)瓦屋根④ワイン色楕円部セメント瓦屋根⑥緑色楕円部ブルーシート屋根⑦黄色銅板根➇グレー色楕円陶器瓦屋根です。
2009年の毎日新聞の報道写真
➂オレンジ色楕円部石綿スレート(住宅平板スレート)瓦屋
この屋根材は通常「カラーベストコロニアル」と呼ばれる平板スレートです。
残っている屋根の状態から考えると再塗装しているようです。
1坪(3.3m2)を20枚で施工し、1/2ずらしで施工する屋根材です。
以前、強力送風式試験機にて耐風試験を行うと、
この屋根材の場合は扇状に飛散することが解りました。
因みに少し後から開発販売されている「フルベスト24」と呼ばれる材料は
頂点位置が変形している為、1/3ずらしで施工するものです。
従ってこの屋根材は右前方に向かって飛散する傾向にありました。
この写真で扇状に飛散したような箇所を特定すると6箇所あります。
また、写真で飛散跡を確認すると
「スパット」真上に引き上げられて飛散しているような感じです。
(則ち剪断力が掛かった状態です。)
通常台風の仕様は竜巻被害には役に立たないと思われています。
少し検証してみます。
台風や季節風(木枯らし一号、春一番等)は一定の方向から吹く風を想定しています。
従って屋根の部位において、風の強い箇所を規定してあります。
風の強さを1 とすると、屋根の中心部を一般部と呼び風の力は 0.5 とされます。
そして、屋根の周囲(軒先部、ケラバ部、棟部)は 1.5倍の強さで
一般部に比較すると3倍程度あるとされています。
今回の写真をみると①、②、④、⑤はケラバ部です。
⑥は棟部です。
そして④は風の力が0.5とされる一般部となります。
屋根全体から見るとやはり屋根の端部(ケラバ部、棟部)からの飛散のようです。
①の飛散箇所はケラバの金属役物が邪魔をして3段目位上からの飛散となっています。
②の飛散箇所はケラバの金属役物が残っているのが確認されます。
その10段位下の箇所では数枚が釘位置で飛散して連鎖して飛散していません。
➂の一般部の飛散は左側ケラバ部で何等かの大きな力が働いたせいかも知れません。
④は完全にケラバ部の飛散によるものです。
⑤は右側のケラバ部からの飛散です。
⑥は棟近くの飛散です。
そして西部裏側の棟部も全て飛散しています。
この現場でカラーベスト系の飛散状態の痕跡があるのは軒先に近い①の箇所からと、
棟に近い⑥の箇所と推測できます。
この現場写真の撮影時期が、飛散した後直ぐで、片付けに手を付けていない時なのか、
暫らくして、釘を抜いて、防水シート(アスファルトルーフィング940)を片付けた後なのか、
により検証内容は変わります。
例えば「コロニアル」は4本釘で止められており、釘が残って頂点部の△部が残っているのが普通です。
その場合は防水下地(アスファルトルーフィング940)も残っています。
そしてアスファルトルーフィング940は経年変化で野地板に溶着しています。
もしも溶着していないのなら、この住宅の小屋裏は結露していた事になります。
更に、棟部には換気棟も無いようです。