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2023.01.28

建物の外部被害に関わる資料 その 7 『 竜巻 ⑦ 』

顧問の坪内です。次に南側の3軒を観察します。
すぐ南側の位置にある④ワイン色楕円部セメント瓦屋根
2棟続いた平屋住宅です。
そしてそのまた南側の⑤茶色楕円部陶器瓦屋根の平屋住宅です。
前回の写真も良く見るとこれらの被害住宅の廻りの道には多くの人々が集まっています。
この写真にも何人かの人がいます。
時間的には竜巻が発生して数時間後の状態ではないかと思われます。
どちらの住宅も竜巻被害が発生して、まだ何も手が付けられていない状態の様です。
但し、その西側の青緑陶器瓦屋根だけにはブルーシートが被せてあります。
竜巻は南北約50mほどの巾なので、
⑤茶色楕円部陶器瓦屋根の平屋住宅は
竜巻の南側端の位置の様です。

    2009年毎日新聞の報道写真の一部


北側の④ワイン色楕円部セメント瓦屋根2棟続いた平屋住宅を見てみます。
この写真は東側から2棟の住宅を見ることになり、上が西になります。
西寄り(上側)の住宅は南面に被害があるようです。
南西ケラバ隅の箇所は被害が無く
軒先部は軒瓦がケラバ隅から数枚離れたところから10枚くらい捲れています。
その瓦が屋根の中心部(一般部)でひっくり返って散乱しているようです。
またその一部が棟を跨いで北面(右側)にも飛散したのか、
同じく北側の一般部に被害があるようです。
更にテレビアンテナは右側に折れて倒れています。
このテレビアンテナが倒れての被害かも知れません。
ケラバ部も同様に、何段かは被害なく、
それから棟位置位まで捲れているようです。
その下の東寄りの住宅も南面に被害があるようです。
南東ケラバ隅部から軒先、ケラバ部に被害が広がっているようです。
隣の住宅と同じようにテレビアンテナは左側に折れて倒れています。

テレビアンテナが倒れての南北面の一部に割れの被害があるようです。
隣の住宅に比較して一般部の被害は少ないようです。

    2009年毎日新聞の報道写真①


今度は同じ建物でセメント瓦屋根の住宅を横に並べた写真を見てみましょう。
真実か真実でないかは別にしてセメント瓦は「台風に強い」と業界では言われてきました。
一番に形状から来るものです。
陶器瓦とセメント瓦は形状が良く似ていますが、製法が異なります。
陶器瓦は粘土を窯で焼きますので、若干歪ます。
セメント瓦はセメントと砂に水を入れて混ぜて「モルタル」にしたものを型に嵌めて造ります。

よってセメント瓦の形はほぼ同じです。
陶器瓦は歪んで隙間が開くので、その隙間に風が入り飛散し易いと言われてきました。
そして陶器瓦とセメント瓦は良く似た施工法なのです。
即ち葺き始めが左ケラバ側で、右側に被せて施工します。
という事は
風の被害としては「風で瓦が左から右に連鎖して捲れて行く」のが普通です。
この東側(右側)の住宅のように「風で右から左に捲れて行く」のは特殊となります。
これは南東角より瓦が浮き上がる風が吹いた事になります。
この瓦を持ち上げた風の力では
瓦を裏返しに出来る以上の力なので10枚くらいの瓦が捲れた野地板に散乱しています。


    2009年毎日新聞の被害報道写真②


もう少し詳しく見てみます。
少し角度を変えた写真です。
左側(西寄り)の住宅の屋根です。
南西ケラバ隅部の軒瓦3枚を残して、軒瓦が10枚ほど離散しています。
と言う事はこの箇所を襲った風は「南西ケラバ隅部」からの風ではないことが分かります。
そしてケラバ部からの風はケラバの棟に向かって吹かれており、瓦は残されていません。
この屋根の中央(一般部)に散乱しています。
そして、その場所には2箇所ほど野地板に穴を開けています。
飛散した瓦が落下して穴が開いたものと思われます。

   2009年毎日新聞の被害報道写真③


右側(東寄り)の住宅の屋根です。
南東ケラバ隅部のから10段程上のケラバから
軒瓦13枚程の三角形部分の瓦が離散しています。

そして、10枚程の瓦が裏返しになっています。
更に離散した瓦は左側(西側)には広がっていません。
中央部(一般部)には持ち上げられて瓦が、
5
6枚落下したような跡があります。
少し離れた処には穴が開いています。
と言う事はこの箇所を襲った風は
「南東ケラバ隅部」からの吹き付けた風ではなく、
上に巻き上げられたように思われます。
ここにあった瓦は軒先、ケラバ部から落下したのでしょうか。

樋が外れて落ちかかっています。

    2009年毎日新聞の被害報道写真④


そしてその南側に位置する⑤茶色楕円部陶器瓦屋根の平屋住宅です。
西側のケラバ部の瓦に被害あります
更に南面の軒先にも被害があるようです。
南西ケラバ隅部にも被害があるようです。

そして北面の軒先と中央(一般部)にも被害があるようです。