2023.05.06
各戸に風呂の無い頃、
母方の祖母は日本海の港町で銭湯を営んでいた。
天草や五島列島の漁師たちが港に魚を上げにやって来た。
私はこの町に下宿して学校に通っていた。
学校から帰ると、防波堤を横切って砂浜に出た。
夕食時には砂浜で、「ハマボウフ」を採り、
軽く湯がいて酢味噌にすると古代食の味がした。
白い砂浜の海岸が続き、
沖には白波の中に神島があった。
叔父さんと波に乗りながら
赤エイを追って沖に出た。
友人とサザエやアワビを捕りに行った。
灯台につらなる出島の麓に港があり、
灯台から小さな岬に向かって進むと
監視小屋に双眼鏡と記録帳が置いてあった。
『3月6日15時32分北北東に白い不審船を確認』等の
記録が記載されていた。
何も迷う事は無い。
荒海を生き抜く体力と、
波を乗り切る術を知る漁師たちが
海を見ていた。
祖母の墓は港を見下ろす灯台と
対となっている丘の上にある。
島根の海(大田市五十猛町 )
風速計のないところで風速を知りたい時は、
目測で大体の風速を知ることが出来ます。
それには気象庁の風力階級(ビューフォート表)です。
イギリスの海軍士官ビューフォートによって1806年に考えられたものです。
海上の風速観測に用いられ、その後陸上の状態も追加改良されて
現在のものが出来たようです。
風速は地上10メートルにおける風速です。
波高は、陸岸から遠く離れた外洋において生ずる波の高さの
およその目安を現したものです。
波高のみを観測し、逆に風力を推定するのに用いてはならないとされています。
内海あるいは陸岸近くで、沖に向かう風の場合には
波高はこの表に示された数値よりも小さくなります。
波高の( )は、おおよその最大波高を示します。
下記はそれをまとめた表です。
ビューフォート表
上記表は少し小さく見ずらいので、
気象庁が写真と風力階級の波と高さを記した資料を出しているので、
後日追加された陸上の様子と合わせて参考にします。
【風力階級0】 風速 1ノット未満 平穏(へいおん)
/ 静穏(せいおん) /
海上 鏡のような海面
風速0.3m/s未満
陸上 静穏、煙はまっすぐに昇る。
風力階数 0 Calm
【風力階級1】 風速 1-4ノット 至軽風(しけいふう)
海上 うろこのようなさざ波ができるが波がしらに泡はない。
波高 0.1m(0.1)
風速0.3-1.5m/s
陸上 風高は、煙がなびくのでわかるが、風見には感じない。
風力階級1 light air
【風力階級2】 風速 4-7ノット 軽風(けいふう)
海上 小波の小さいもので、まだ短いがはっきりしてくる
波がしらはなめらかに見え、砕けていない。
波高 0.2m(0.2)
風速1.6-3.3m/s
陸上 顔に風を感じる。木の葉が動く。風見も動き出す。
風力階級2 light breeze
【風力階級3】 風速 7-11ノット 軟風(なんぷう)
海上 小波の大きいもの。波がしらが砕けはじめる。
泡はガラスのように見える。ところどころ白波が現れることがある。
波高 0.6m(1)
風速3.4-5.4m/s
陸上 木の葉や細い小枝が絶えず動く。軽い旗が開く
風力階級3 gentle breeze
【風力階級4】 風速 11-17ノット 和風(わふう)
海上 波の小さいもので、長くなる。白波がかなり多くなる。
波高 1m(1.5)
風速5.5-7.9m/s
陸上 砂ほこりが立ち。紙片が舞い上がる。小枝が動く。
風力階級4 moderate breeze
【風力階級5】 風速 17-22ノット 疾風(しっぷう)
海上 波の中くらいのもので、いっそうはっきりして長くなる。
白波がたくさん現れる。(しぶきも生ずることもある)
波高 2m(2.5)
風速8.0-10.7m/s
陸上 葉のある灌木が揺れはじめる。池や沼の水面に波がしらが立つ。
風力階級5 fresh
breeze
このように海上の方がより正確に風の力が分り、
昔から伝承されています。
まだまだ風力階級の話は続きます。
ありがとうございます。