2023.07.01
風観測用測器の特性
日本における風観測に用いた風速計は年代とともに
4杯型風程式風速計(以下4杯
型) ,
3杯風速計(以下3杯型) ,
風車型風向風速計(以
下風車型)と変わってきています。
これらの風速計はそれぞれ異なった特性をもち、
観測された平均風速値にも大きな差があるようです。
そして風観測用測器の特性に関する研究報告
も多くあります。
風観測用測器の変遷と主な測器の特性を詳しく述べています。
4杯型と3杯型風速計(以下風杯型)は
構造が簡単で、安定して風速を測定できるという特徴をもち、
長年にわたって用いられてきました。
しかし、風杯が空気力を動力とするため、
風の乱れによって回転数が変化したり、
回り過ぎたりする問題があります。
風杯型風速計の欠点を是正するために
開発された風車型風速計は、
乱れの強さが非常に大きい場合 ( 40~60%)を除いて,
風杯型風速計より良い性能を示し、
超音波風速計に近い平均風速値を示します。
以上のように,風観測に用いられてきた風速計は
計測技術の進歩に伴い、
4杯型から3杯型,そして風車型へと変化し、
その性能も向上してきました。
現時点では風車型風速計が最も信頼でき、
その観測値を真の風速値とするのが妥当とされています。
風の測器変更に伴う統計の接続問題を詳しく調査した
論文や資料は沢山あるので、
気象庁観測部統計課によると、
風車型による平均風速は3杯型による値に比
べ
全国平均で約10%小さいなどと検証してあります。
それらの測定結果から各々の機器の比較を行って、
一覧にまとめたのがこの研究の一部で下記表となります。
測器補正係数の一覧
気象庁で使用している風向風速計は
風車型風向風速計といいます。
流線型の胴体と垂直尾翼、
4枚羽のプロペラなどで構成されています。
風が吹くと胴体と垂直尾翼で風を受け、
プロペラが風上に向くように回転し、
胴体の向きから風向を、
プロペラの回転数から風速を観測しています。
風向・風速はたえず変化しているため、
前3秒間の測定値を平均して瞬間風向・風速とし、
前10分間の測定値を平均して平均風向・風速としています。
風車型風向風速計は
90m/s以上の風速にも耐えられるように作られています。
風車型風向風速計(気象庁HPより)
さて私の最も興味のある測定点の高さです。
本論文で最後の備考欄に高さ割り増し補正についての資料が添付されています。
この内容がどの様な高さ補正なのか記されていないので
掲載されている数字と文のみを記してみます。
観測高さの割り増し(日本風工学会)
日本各地の年最大風速データベースの構築と測器補正より)
新旧レーダー入れ替時の室戸岬気象台(気象庁HP)
上の写真は室戸岬気象台の気象レーダーの新旧入れ替え時のものです。
この場で90年前(室戸台風)に計測された数値
最低気圧911 hPa、最大瞬間風速63m/s、観測時の風速計の高さ 15m
が日本の建築の風基準の基になったとは。
どうもありがとうございます。