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2023.07.01

建物の外部被害に関わる資料 その 22 『 台風 ⑦ 』

顧問の坪内です。

昔から風の姿や強さには色々とあって、
これを解明する人達が多くいたということが分かりました。
ここで文学的な話をするととんでもない脱線になりますので。
科学的なことに集中していきたいと思います。

更に風に関わる多くの職業があるということも段々と分かってきました。
そして、風を測定する機器や定点観測(観測所・署)も変更され、
日々観測されている記録値が各分野において
基準にされた記録値に変更され、
若干異なってきている事情もあることも分って来ました。
観測データを決定する所としては所というより署となるのでしょうか。
日々色々な努力をされている事も分かりました。

日本における風観測方法と測器の変更は公には4回あります。
風観測データはこれらの変更に対応して
5
つの期間に分けることができます。

観測方法及び測器の変更による
平均風速の観測値への影響を全く考慮せず、
年最大風速の全国平均値を求めると
年最大風速の全国平均値は期間によって大きく変化します。

そこで観測方法及び測器の変更による
平均風速の観測値の補正が不可欠であると思われます。
平均化時間及び測器補正に関する既往の文献を調査すると、
速時と減速時に風速計が異なることにより、
結果的に真の風速より大きな値を示すことになるようです。

更に風杯型風速計により測定された風速は
ベクトル(向きと大きさを持つ量)風速ではないため、
風速の風向方向成分の平均値を測定する
超音波風速計から得られた風速値と異なり、
その値が風直角成分の乱れの大きさによって変化するのです。

風杯型風速計に伴う各種の計測誤差は
多くの研究者によって調べられ、
特に近年風力エネルギー利用の急速な拡大に伴い、
その重要性が再認識されています。

評価時間の補正としては
1929
年~1939年は平均風速の評価時間が
現行の10 分と異なり20分でした。
そのため、この期間における平均風速は
小さく評価される可能性があります。

この期間における年最大風速の全国平均値は
10
分評価時間を用いた1940年~1948年における
年最大風速の全国平均値より小さくなっています。

       観測方法及び機器の変遷

風観測用測器の特性
日本における風観測に用いた風速計は年代とともに
4杯型風程式風速計(以下4 ) ,
3杯風速計(以下3杯型) ,
風車型風向風速計( 下風車型)と変わってきています。

これらの風速計はそれぞれ異なった特性をもち、
観測された平均風速値にも大きな差があるようです。
そして風観測用測器の特性に関する研究報告 も多くあります。
風観測用測器の変遷と主な測器の特性を詳しく述べています。

4
杯型と3杯型風速計(以下風杯型)
構造が簡単で、安定して風速を測定できるという特徴をもち、
長年にわたって用いられてきました。
しかし、風杯が空気力を動力とするため、
風の乱れによって回転数が変化したり、
回り過ぎたりする問題があります。
風杯型風速計の欠点を是正するために
開発された風車型風速計は、
乱れの強さが非常に大きい場合 ( 4060%)を除いて,
風杯型風速計より良い性能を示し、
超音波風速計に近い平均風速値を示します。
以上のように,風観測に用いられてきた風速計は
計測技術の進歩に伴い、
4
杯型から3杯型,そして風車型へと変化し、
その性能も向上してきました。
現時点では風車型風速計が最も信頼でき、
その観測値を真の風速値とするのが妥当とされています。
風の測器変更に伴う統計の接続問題を詳しく調査した
論文や資料は沢山あるので、
気象庁観測部統計課によると、
風車型による平均風速は3杯型による値に比
全国平均で約10%小さいなどと検証してあります。
それらの測定結果から各々の機器の比較を行って、
一覧にまとめたのがこの研究の一部で下記表となります。

      測器補正係数の一覧


気象庁で使用している風向風速計は
風車型風向風速計といいます。
流線型の胴体と垂直尾翼、
4枚羽のプロペラなどで構成されています。
風が吹くと胴体と垂直尾翼で風を受け、
プロペラが風上に向くように回転し、
胴体の向きから風向を、
プロペラの回転数から風速を観測しています。
風向・風速はたえず変化しているため、
3秒間の測定値を平均して瞬間風向・風速とし、
10分間の測定値を平均して平均風向・風速としています。
風車型風向風速計は
90m/s
以上の風速にも耐えられるように作られています。

    風車型風向風速計(気象庁HPより)

超音波による計測
超音波を用いて風速および風向を計測します。
計測は超音波が一方の変換機からもう一方の変換機に
到達するまでの伝達時間に基づいており、
この伝達時間は風速によって変化します。
伝達時間は2つの変換機間において双方向で計測します。
互いに60°の角度をなす3本の超音波経路のそれぞれについて
双方向の計測を行い、風速と風向を算出します。
超音波風向風速計は、
耐久性に優れた信頼性の高い超音波風向風速計です。
気象観測や航空気象では主要な変数の一つである風向風速を計測します。
世界気象機関(WMO) および国際民間航空機関(ICAO)
要求事項に準拠しており、
気象観測、航空、海事、風力発電、その他
多くの用途で使用できるよう設計されています。
着氷性の雨や雪による凍結も防ぎます。

   超音波風向風速計(バイサルHPより)


さて私の最も興味のある測定点の高さです。
本論文で最後の備考欄に高さ割り増し補正についての資料が添付されています。
この内容がどの様な高さ補正なのか記されていないので
掲載されている数字と文のみを記してみます。

       観測高さの割り増し(日本風工学会)
日本各地の年最大風速データベースの構築と測器補正より)



新旧レーダー入れ替時の室戸岬気象台(気象庁HP)


上の写真は室戸岬気象台の気象レーダーの新旧入れ替え時のものです。
この場で90年前(室戸台風)に計測された数値
最低気圧911 hPa、最大瞬間風速63m/s、観測時の風速計の高さ 15m

が日本の建築の風基準の基になったとは。

どうもありがとうございます。