2023.08.19
2種類のパーライトからの選定では黒曜石のパーライトとしました。
①モルタルの水セメント比少なく安定している。
②モルタルのスランプ値が安定している。
③他の事業部でも異なる方法で採用している。
等の理由での採用です。
更に、ポンプ圧送や釘打ち性能の長期化等の性能アップの為、
㈱東邦レオ社は混錬材に繊維、ゴムチップ等の添加物を模索されました。
私たちは風圧力に耐えるための技術開発です。
施工仕上げ・材質面では
①最適混合比の模索
(モルタル施工後1~3週間釘打ち施工可能)
②混錬後生比重とポンプ圧送後・屋根施工前の生比重の把握
(安定した保持力確保)
③同施工時の乾燥比重と圧縮強度、釘保持力関係の把握
(施工後直ぐの台風でも飛散しない)
④簡易保持力測定器具の開発
(持ち運びが簡単な機器:パテントが取得出来たので長期にクローズで普及)
⑤屋根下地施工時の不陸レベルの規定の作成
(施工後の屋根材の破損が無いように)
さて、屋根下地は「スカイモル」に決まって来ましたが、
屋根材を固定しているのは釘です。
「化粧スレート・コロニアル」の全体的な形状は60年前とは少し異なってきていますが、
台風性能に関わる屋根材の面積や釘の位置、必要保持力はほぼ同じです。
そこで、「コロニアル」の飛散する限界の材料性能は前回の計算式や各種試験で分かります。
その結果、屋根材固定釘の必要保持力は≒27kg/本となります。
その当時、大阪管区気象台を訪ねて台風について問い合わせたことがあります。
「台風の平均風速は変則に流れる強弱の風であり、又その中に細かく振動する波があります。」
「この振動は02秒間隔です。」と
この内容が本当なのか間違っているのかは分かりませんでしたが、
スカイモルのテストサンプルは豆腐のパックで作りました。
100×60×40の豆腐のパックに
スカイモルの混錬したサンプルを入れ乾かします。
配合の基本試験は東邦パーライトで行っていました。
材令による「水中養生・オートクレーブ養生等」
養生比較について、東邦レオが中心で行いました。
我々は室外暴露、室内養生の条件での比較です。
スカイモルサンプルの中央、
対角線の中心に3×32mm 溶融亜鉛メッキ釘を1本留めます。
サンプル数は配合により各10サンプルを
釘打ち後直ぐの引き抜試験と繰返し引張り試験の比較です。
社内では繰返し引張り試験を「疲労試験」と名付けました。
そして、
経過日は1、2、3、4、5、6日、1、2、3、4週間、3ケ月、6ケ月、1年、2年、3年と。
疲労試験の条件は
①静荷重25kg/本、
②振動時間0.5秒、
③振動回数5000回です。
試験を続けていると、この疲労試験後で、
保釘力が35kg/本以上であれば、
疲労試験が5000回でも抜けないことが分かりました。
そこで、スカイモル系材質下地材の場合は
必要保釘力の1.3倍の保釘力が必要な事も分りました。
丁度この時期、名古屋の㈱屋根技研(都築 巌社長:故人)より連絡がありました。
「足助いこいの村」愛知の大型建築物件で、
屋根下地材で良い材質が無いので苦労をしている情報が入りました。
都築社長とはこの頃から亡くなられる迄、
日本の屋根の部品開発話で語り合ったものです。
(この年1977から18年後1995年に「建設省中高層建築評価認定工法」の公募があり、
都築社長から「坪内さん」ところはどの様な対応をしているかの問い合わせがありました。)
おそらく、この公募が金属屋根、瓦屋根業界を真剣に台風対策(強風対応施工)
に向かわせる政府の政策の始まりであったかも知れません。
「足助いこいの村」愛知は諸事情で、今は廃建築になっている建物ですが、
一時は名古屋では有名なであったと聞いている建物です。
請負ゼネコンD社の所長がわざわざ名古屋から「疲労試験」の様子を見に来られ、
「こんな試験までしている商品なら直ぐに使うぞ」と採用していただきました。
この建物は後で問題となった「年金基金」関連の物件です。
今どうなっているのかHPを調べて見ると
「いこいの村愛知」として廃墟の写真があります。
この定礎から見ると昭和53年に完成しています。
因みに、疲労試験機は当時でもメーカー品を買えば1000万円以上する時代で、
予算は30万円の手造り試験機でした。(因みに世界に1台のものです)
以降この試験機、優秀なメーカーものが入るまで20年以上使用しました。
「足助いこいの村」愛知:廃墟散策HP
スカイモルの打設が全て上手くいくとは限りません。
施工時には既に固くなって、釘が曲がってしまう事もあります。
その時に使用するのがスカイモル専用釘(スレート釘)です。
この釘はコロニアル釘より少し硬く、少し捩じってあります。
スレート(スカイモル)用釘
因みに釘は少し捩じると腰が強く曲がり難くなるのです。
このようにして私は釘の開発にも少しずつのめり込んで行ったのです。
次は耐風施工法の開発です。
ありがとうございます。