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2023.10.07

建物の外部被害に関わる資料 その 30 『 速度圧 ➇ 』

顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援頂いてありがとうございます。

1986(昭和61年)2月21世界長寿記録を持つ「泉重千代」さんが、
肺炎と心衰弱により死去されました。
徳之島行きの飛行機に乗ると多くの報道陣が乗り込み、何事かと思われました。
飛行機から降りると当時の世界長寿老
「泉重千代」さんが危篤状態との事です。
私は1985(昭和60)から1990(平成2)まで九州(福岡)に赴任していました。
徳之島で建てられた、大手2×4住宅メーカーの台風施工法のお話です。
大手2×4住宅メーカーは鹿児島に支店があり、離島での住宅も受注していました。
従って、ゼネコンとは違い、材料メーカーの進歩的な情報を受け入れる体質です。
徳之島の有力資産家が100坪を超える2×4住宅を建て、
急勾配の屋根を強風施工法で行ったのです。
ところが、補強ビス位置から雨漏りを発生させたのです。
現地について早速、補強施工を確かめると、
補強ビス(直径4mm)より大きい下穴を開けて施工しているのです。
そうです、補強ビスがグラグラです。
補強ビスの意味が無い施工が行われていたのです。
現地より、補強ビスを製作している大阪の Y社 に連絡を入れて、
直径5mmのワッシャパッキン付き補強ビスを早急に造るよう注文したのです。

「今施工している補強ビスを全て抜いて」
「再度、防水補助シートを挿入し」
「新しい強風ビスで施工してください。」
と指示して帰福したのです。
後日担当者から雨漏りがビタリと止まったと連絡を得て、
ホッとした現場でした。

徳之島と奄美大島・沖縄の位置関係(グーグル地図)


「竜巻」の章で藤田哲也博士が「下降気流」を発見された
「背振山」のある佐賀でのお話です。
その当時「吉野ヶ里遺跡」が発見され、
歴史好きの私は喜んで佐賀に行き、
帰りには「吉野ヶ里遺跡」を見学したものです。

その当時佐賀では、時々少し物騒なお話がありました。
屋根工事屋さんが「雨漏り調査」で呼ばれて、
軒天井辺りを開けて調べると「何か油紙に包んだ物」が有りました。
紙包を開けて見ると「短銃」です。
手を震わせながら元のところにそっと置き
「何も異常はありませんでした。」と言って
さっさと引き上げた話とか。
今回のような「少しややこしい人達」のお話です。


背振山・吉野ヶ里遺跡と佐賀市(グーグル地図)


下記写真は東西に幹線道路あり、
南北に佐賀市内へ入る道筋の西側に位置する赤色矢印の処です。
九州の有力販売店リストに無い工事店からの連絡で、

現場に駆け付けました。
7
階建てマンションの屋根の「コロニアル」が飛散して、
西隣の「少しややこしい中古車センターから、高い外車を傷付けた。」
と言うのです。


   佐賀市飛散したマンション位置(グーグル地図)


下記グーグル地図は現在の同場所で、
マンションの屋根伏写真です。
赤色楕円部が屋根飛箇所です。
そしてマンションの階段塔屋の南側の位置です。
塔屋に強風が当たり乱流が発生したようです。
左側(西部)の赤色楕円破線部が、
当時のややこしい中古車センター敷地です。
現在は分譲住宅とアパート・駐車場になっています。

        佐賀市飛散したマンション鳥瞰写真


早速現地に出向いて調査すると、
塔屋の中央部から梯子を降ろして屋根上に上がります。
下記写真の赤色矢印部が飛散しているのです。
屋根下地は「スカイモル」以外の材料です。
下地が硬く、飛散している箇所は屋根釘が曲がっています。
通常通りの施工が出来ていません。
しかも高さは20m以上あるのに
強風施工法(高所施工法)が成されていません。
早速帰社して報告書を作成します。

1.通は設計事務所・建築会社用、もう一通は施工店用です。
設計事務所用には

①当該建物の設計は高所施工法(補強施工)が必要な事。
②屋根材下地が「スカイモル」等適正な保持力を有していない事。
③内容が理解できない時はメーカーに問い合わせる事。
施工店には
①「スカイモル」等で釘が入らない時は無理して施工しないでメーカーに相談する事。
②九州地区の有力施工店名簿に無いが「屋根建材学校」を受講した事はないのか。
③無理して施工すると今回のように事件が発生する事。
④屋根が飛散して人身事故になる可能性がある事。
等の内容を記して送付したのです。
こんな事もあるのですね、
①施工店は佐賀県内のお店です。
②販売ルートの問屋は下関にありました。
③倉庫が飯塚にあるので、いつも佐賀から引き取りに行き、
④九州の販売店名簿には載っていないのです。

      佐賀市飛散したマンション外観写真


後日「損保保険会社」が訪れて来て「この内容は本当ですか。」と聞かれたのです。
「本当です。」と答えると「本当なら、かなり保険金が出ます。」
保険金も1千万円近く出て、工事店の負担は少なかったようで、
後日この工事店は多くの職人を「屋根建材学校」に送り込んできたのです。

九州 C市の老人福祉センターの屋根のお話です。
市議会で、ゼネコンと市会議員の癒着の話が大きくなり、
台風で飛散した屋根材の施工に飛び火したのです。
この時の屋根施工店は他社の有力代理店でしたが
なんとか助けて欲しいとの依頼があり出掛けました。

           C市老人福祉センター鳥瞰写真


屋根には仮設足場にしっかりした階段も取り付けられていました。
屋根の一部が風で飛散しています。
私は金槌でポンポンポンと屋根下地上を叩いて回りました。
施工店の社長が
「坪内さん何とか保持力が有るように操作出来ますか。」
と聞かれたのです。
私は「分かりました。任せておいてください。」と言い、
屋根の上で議員連を待ちました。
そして20人ほどの市会議員が屋根の上に上がって来たのです。
私は何箇所かに屋根釘を打ち込み「簡易釘抜き測定器」で抜いて見せました。
全て50kgf/本以上の合格です。
野党議員の一人が自分も試験して見ると言って
試験したのですが、やはり合格です。
これで屋根被害とゼネコン癒着は関係ないことになりました。
これで一件落着して他社の有力代理店は我が社のファンとなり、
またまた【屋根建材学校】に職人さんを送り込んできました。

         C市老人福祉センター鳥瞰写真


この屋根事件での解決策は事前の屋根調査に有ります。
私が屋根の上で、金槌で屋根下地「スカイモル」を叩いた時に勝負は決まっていたのです。
私はその頃屋根下地「スカイモル」を金槌で叩いて音を聞いただけで、
釘の保持力が何kgf/本出ているか解るほど「スカイモル」に精通していたのです。
もちろん叩いた時の屋根下地材の凹み方も確認していたのです。
野党議員が出て来た時も、「ここ等あたりに釘を打って下さい。」と
必ず保持力の出る箇所に誘導していたのです。

「スカイモル」の現場での経験は仕事に巾を持たせることが出来ました。
もう少し 速度圧の勉強をしましょうか。

ありがとうございます。