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2023.11.25

建物の外部被害に関わる資料 その 32 『 台風21号 ② 』

顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援頂いてありがとうございます。

前回は台風2018.21号による、南隣の工場の瓦棒金属屋根が
飛散して池本ビル衝突落下し東隣のお家の前に落下したことをお話しました。

もう少し和歌山、大阪近郊の風の動きを知る為に
下記表は前回の表、大阪・関空・枚方・神戸・京都・舞鶴の気象条件以外に
友ヶ島、和歌山、熊取、堺、生駒山を加え、風向を付加した表にしたものです。
各測候所に於ける10分ごとの最大瞬間風速と時刻です
友ヶ島は13:20に 51.8m/sで風向は南側です。
和歌山は13:20に 57.4m/sで風向は南南西側です。

関空は13:40に 58.1m/sで風向は南南西側です。
熊取は13:40に 51.2m/sで風向は南側です。
神戸は13:50に 41.8m/sで風向は東側です。
堺は13:50に 43.6m/sで風向は南側です。
大阪は14:10に 47.4m/sで風向は南南西側です。
枚方は14:30に 40.2m/sで風向は南南西側です。
京都は14:40に 39.4m/sで風向は南側です。
生駒山は14:50に 33.2m/sで風向は南西側です。

台風201821号の大阪・関空・枚方・神戸・京都・舞鶴と6地点の最大瞬間風速と時刻


この台風 (201821) の経路を
もう一度、近畿近隣の地図に落として見ます。
同時に風向を色と矢印で付け加えて見ます。
台風2018.21号は9412時頃に徳島県南部に上陸します。
そして、そのまま北東に淡路島の東側を進み、
神戸市須磨に上陸し更に北北東に進み
近畿地方を縦断して日本海へ抜けます。

以前に風力階級に関する風速を海の波の状態で学びました。
天気図に用いられる記号も同じように平均風速として
風力階級が112
地上10mに於ける風速(0.332.7m/s)迄決められています。
今回最大瞬間風速として表で表しています。

南風の場所は友ヶ島、熊取、堺、京都で黄色を示しています。
南南西風の場所は和歌山、関空、大阪、枚方で黄緑色を示しています。
南西風の場所は生駒山で
オレンジ色を示しています。
東風の場所は神戸で青色を示しています。
下の地図で赤い直線が201821号の経路です。
そして風速の観察地点「友ヶ島」「和歌山」「関西空港」
「熊取」「堺」「神戸」「大阪」「生駒山」「枚方」「京都」
と池本工務店の位置関係です。

関空・大阪等の気象観測地点と池本工務店の位置


この5年間で台風201821号の被害調査報告書が多く報告されました。
内容を確認すると、被害は関空から南の泉南地区が多く、
それから東の堺方面に広がっていたようです。
公の気象観測所は「熊取」から「堺」までありませんが、
この地域の被害が大きかったように報告されています。
下の写真は現在葺き替えられて、飛散した箇所は新しくなっています。
池本工務店ビルに飛散して衝突した屋根材の建物と
風の風向との関係を示したグーグル地図です。
赤色楕円部が飛散した屋根位置で
青色矢印が風の方向(南南西)です。
又、赤色破線楕円部が池本工務店ビルです。
さらに、最後に出て来る写真で東隣工場屋根の波板破損部を
補修してあるのが緑色矢印の屋根です。
被害の有った瓦棒金属屋根は南北に長い切妻屋根で、
西側ケラバ部の棟側から剥がれて北(池本ビル)側に飛散しています。

被害のあった屋根と池本ビルの関係図(グーグル写真)


もう少し詳しく見てみましょう。
下の写真で赤色楕円部が飛散した屋根位置です。
西側ケラバ部の棟側から剥がれています。
青色矢印が風の方向(南南西)です。
又、赤色破線楕円部が衝突された池本工務店ビルです。
改めて見ると、飛散屋根材が窓ガラスに当たらずに良かったなと思うところです。
それからビル前面の道路に落下し、赤色矢印のところまで移動しています。

被害の屋根と池本ビルの関係図(グーグル写真②)


後日、池本ビルの屋上に上がり南南西の方向を望んだところです。
工場の屋根が大きく捲れています。
こちらは屋根の北側なので、捲れている屋根は西側のケラバ部です。
屋根材は棟部より真直ぐこちらの池本ビル側に飛散しています。

      隣の飛散屋根と池本ビ


瓦棒金属屋根の飛散した箇所を少し拡大して見ます。
右側(西側)下地の軽量鉄骨が見えます。
固定ボルトが鉄骨に残っているようです。
前回の写真で瓦棒金属芯木位置の通し吊り子が
引き千切られているのが確認されたものです。
野地は殆ど残っていません。
おそらく何処かに飛散したものと思われます。
丁度この箇所までの軒樋も飛散しています。

     瓦棒金属根が飛散した箇所


次に左側(東側)の残り部分を確認します。
瓦棒屋根は残っており、右側の棟寄りの捲れた屋根材が
飛散していない箇所に覆い被さっています。
この材料も二つに分かれていますので、
この屋根の材料は3つに破断されたものと考えられます。
そして棟寄りの2つは屋根に残り、
軒先側の塊は引き千切られて、
池本ビルに衝突したものと考えられます。

   飛散した屋根材が覆い被さっている


そして最後に東側1つ隣の工場の屋根に二か所の穴が開いています。
おそらくどこからか飛散して来たものが衝突して開いたものと考えられます。
今は穏やかな状態の風景です。


   東隣工場の破損した波スレート屋根


そんな訳で台風2018.21号での池本ビル直接被害無し事件は終わりました。
それから約2年間、台風補修関連の仕事に関わる事となりました。

自然災害が建物にどのような影響があるかを調査するには、地震や竜巻は地域が特定し易いのですが、台風は地域が広範囲になります。現地に出向いての調査はリアルな写真が撮影出来るのですが、時間の制約もあり、災害後の復旧により、リアルタイムで現場状況が変化します。そんな中で今回の台風2018.21号はインターネットに掲載された写真分析により台風被害を検証してみました。次回からは平成301220日に「知らんけど講座」としてまとめた資料を解説いたします。お楽しみに。

ありがとうございます。