2023.12.16
顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援頂いてありがとうございます。
前回は台風201821号による、南隣工場の瓦棒金属屋根が
飛散して池本ビルに衝突落下し東隣のお家の前に移動した現象を検証しました。
その時、大阪地区の気象条件がどの様に推移したのも知ることが出来ました。
金属屋根がどの様に飛散したのかを検証することにより、
金属屋根の固定に関してはもう少し堅牢かと考えていました。
意外と脆い構造なので驚きました。
瓦棒金属屋根は0.4~0.5mmの金属板を600mmピッチで下地に固定し、
性状の良く分からない強風(耐風)に耐えさせるのは
もう少し学習する必要があるような気がします。
5年前は関西での久しぶりの台風で、台風被害報道も活発でしたが、
その翌年別の台風201915・19号が関東に上陸して報道が関東地区に移り、
関西の復旧も少し長引きながら報道も落ち着いてきたところです。
その間、各種報道機関や、屋根施工業者、建築関係会社、電力会社、学校官庁等公共機関
が被害調査報告書を発表し、かなり多くの被害が明らかになりました。
その中で、私の興味ある事象は建築に関わる被害です。
特に屋根に特定した被害状況が分ればと思っております。
池本工務店に入社以来、
個人的に「知らんけど講座」と言う建築の勉強会を開いています。
当初はユーチューブで発信していましたが、現在は休館中です。
さて、2018年の近畿地方は6月には大阪北部地震、
9月には台風21号と自然災害に見舞われた年でした。
一年を締めくくる漢字として『災』が選ばれる始末でした。
因みに、「今年の漢字」は、公益財団法人日本漢字能力検定協会が
その年一年の世相を漢字一字で表現し、清水寺で発表する行事です。
日本全国から応募された「今年の世相を表す漢字一字とその理由」を集計し、
12月12日の「漢字の日」前後に最多応募数の漢字を、
京都・清水寺の森清範(せいはん)貫主(かんす)の揮毫(きごう)により発表しています。
1995年から毎年開催し、今年で28回目を迎えるようです。
2018年の台風発生以来、テレビ・新聞・インターネット等の報道も
スマホのお陰で被害報道がかなりリアルなものとなり、
貴重な映像を比較的早く、修正なしで見る事が出来ます。
(屋根材の飛散の光景は、各種実験よりはリアルで参考になります。)
わが社も災害発生後より、屋根・外壁の被害に伴うブルーシート掛けやベランダ、
駐車場の被害調査・補修に追われました。
ここではインターネットの台風被害画像を『台風・強風』をキーワードとして集め、
屋根材・建築物等を中心に分類して被害部位の状況・原因等を抽出し、
今後の建築施工に生かせる資料を目的としました。
したがって、インターネット掲載画像を勝手に借用したことをお許しいただきたい。
と始まる資料で下記の時期に収集したものです。
平成30年12月20日 編集
平成31年01月07日 追加
平成31年01月25日 修正
平成31年02月15日 修正
平成31年02月19日 写真追加
令和 2年01月20日 講座名変更
「しらんけど講座」の表紙
台風のできかた (地球の50のなぜ 坪木和久 名古屋大学宇宙地球環境研究所より抜粋・アレンジ)
気象庁のホームページによると、
台風とは「北西太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、
低気圧域内の最大風速が約17m毎秒以上にまで発達したものを指す」とあります。
熱帯低気圧は、海域別に異なる呼び名を持っていて、
北大西洋の熱帯低気圧は「ハリケーン」と呼ばれます。
インド洋等では「タイフーン」と呼ばれます。
台風は熱帯低気圧の水蒸気が雲になるときのエネルギーです。
水蒸気を豊富に供給してくれる暖かい海(海面水温26℃以上)で生まれます。
雲が発達すると、そこに向かって風が吹き込むようになります。
ここに「コリオリの力(ちから)」という地球自転の見かけの力が働いて渦を巻きます。
コリオリの力は、北半球では進行方向右へ働き、赤道では0(ゼロ)です。
海が暖かくても赤道上では台風は無いのです。
南半球では進行方向左に働きます。そして下記写真が台風の目です。
「台風の目」ウイキベティアより
近年地球温暖化の為に、台風が多くなったとか
大きくなったとかの報道が活発です。
近年とはいつからの時期なのか、多くなったとか、
大きくなったとかは何を指しているのか興味のある処です。
①過去の台風発生分析
近年地球温暖化で台風が多く・大きくなったの ホントかな?
と題して 過去1951~2018年間の台風発生をグラフにしてみました。
多くなったは年間の発生回数、大きくなったは最大瞬間風速と最低気圧と考え
1. 台風の発生回数
2. 最大瞬間風速
3. 最低気圧
として一つの表にしてみました。
(台風に関する資料はいずれも気象庁発表のデーターを参考にしました。)
そして
1. 台風の発生回数
全ての年の発生回数を並べてみました。
年間30回 以上は赤枠の白抜きで表しました。
他は青枠の白抜きで表しました。
2. 最大瞬間風速
発生した台風の上位20を並べてみました。
70m/s 以上は黄緑枠の赤字で表しました。
それ以外はオレンジ枠赤字で表しました。
2014年には年間4個の最大瞬間の大きい台風がきています。
3. 最低気圧
発生した台風の上位20を並べてみました。
870hpa以下 緑色白抜きで表しました。
それ以外を黒枠白抜きにして見ました。
4. グラフの特徴
1971年から1999年ぐらいの期間は瞬間最大風速が70m/s 以上というのは少なようです。
赤色楕円で囲った箇所
1979年から2009年ぐらいの期間は最低気圧が870hpa 以下というのは少ないようです。
黄色楕円で囲った箇所
5. 過去に台風の影響が大きかった期間は
1955年から1970年くらいの期間は台風の発生回数が多く、瞬間最大風速が高かったのが分かります。
青色楕円で囲った箇所
6. 我々の記憶に残る期間
約50年前の1975年頃からの記憶です。
赤色破線楕円で囲った箇所
このクラフから見える特徴は
①年間の台風発生回数は近年少なくなっています。
②最大瞬間風速は今から60年前位が一番多かったようにも見られます。
③気圧は全体的に低くなっているようにも見られます。
のようにも見られ、
2019~2023年を追加してみると異なる感想になるかも知れません。
このように台風に関して一つの表の中に台風の発生回数・最大瞬間風速・最低気圧3つの要素を入れて評価したグラフは
あまり見たことはありませんので、参考になるのではと思います。
1951年~2018年の年間発生件数・最大瞬間風速・最低気圧の比較
25年ぶりに非常に強い勢力で上陸(気象庁が発表)
台風201821号は8月28日午前9時、南鳥島近海で発生しました。
発達しながら西よりに進み、マリアナ諸島付近で一時「猛烈な」勢力に。進路を次第に北よりに変え、日本の南を北上し、9月4日正午頃に「非常に強い」勢力を保ったまま、徳島県南部に上陸、午後2時頃には「非常に強い」勢力を保ったまま、兵庫県神戸市付近に再上陸しました。
「非常に強い」勢力で上陸するのは25年ぶりでした。午後3時には「強い」勢力になり、午後4時には日本海に抜け、日本海を北上し、5日午前9時に間宮海峡で温帯低気圧に変わりました。
台風2018 21号進路日本気象協会発表
この様な強い勢力で、四国・近畿と上陸した台風201821号は
近畿地区や東北・北海道地区に大きな爪痕を残しました。
次回からはその被害について分析したいと思います。
ありがとうございます。