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2024.07.13

建物の外部被害に関わる資料 その 50 『 台風21号 ⑳ 』

顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援頂いてありがとうございます。

眼を手術しましたので、暫くの間お休みを頂いていました。
よって、このブログの方もお休みでした。
以前から「雨水の路」を考えるお話をしていましたが、
私の「眼球の水路」が詰まってしまって
硝子体が圧迫され眼圧が高くなっているようです。
気づかなかったので、左目の視神経が3/4ほど切れてしまい
見えていないようです。

さて、台風201821号の被害の話に戻ります。
6)
 フェンス・塀の被害(14件9%)
 フェンスと塀の被害です。一般的な概念として、フェンスは金属製のもので
それ以外は塀として扱われているようですが、実は一緒ですね。 
6
月に発生した大阪北部地震で高槻市の小学校のブロック塀が倒壊して
通学の小学生が犠牲となり、全国的に問題となりました。
更に今回の台風でも金網フェンス、アルミフェンス等の被害も見られました。
特にブロック塀は高さと鉄筋挿入の有無が問題となっています。

    フェンス・塀の被害写真(インターネット画像)


フェンスの法定耐用年数
フェンスに設けられた法定耐用年数は、
フェンス全般に一律の年数が設定されている訳ではありません。
フェンスに用いられている素材により年数が変化しています。
国税庁によると、塀やフェンスの耐用年数は、
素材ごとに以下の表のような形で分かれています。
下記の年数を見る限り、丈夫な素材ほど耐用年数は長くなる傾向にあります。
これらの事を考えながら耐風強度の事を考えるのも一考であると思われます。
もう少し先で深堀してみたいと思います。

  国税局が出しているフェンス・塀の耐用年数

7) 室内の被害(12件8%)
室内写真の被害には 大 中 小 とあります。
大被害は正圧側の窓ガラスや扉が破損して、風が室内を通過し、
反対側の窓ガラスを破るか、天井に抜けるかと言うような大きな被害写真です。
このような被害の建物はRC(鉄筋コンクリート)造か、S(鉄骨)造のものです。
在来木造の酷い被害建物なら基礎を残して全体が飛散破壊しています。
中被害ならば外壁の剥離・脱落や屋根(小屋組み)の飛散などが挙げられます。
そして少し酷い雨漏りによる天井、内壁の被害もあります。
小被害ならば今回も多くの被害写真を整理したような室内側の写真となります。
則ちガラス窓・扉破壊による内装材の被害が確認されています。
私の感覚には今まで現地に赴いて被害調査を行った残像が残っていますので、
大被害や中被害としては竜巻程度の強烈な被害ととらえてしまいます。

    室内の被害写真(インターネット画像)

8) 野地板の被害(13件9%)
野地板の被害を現場調査すると施工と台風の関わりが良く分かります。
屋根施工に関わる部位は
1.
 野地(板)
2.
 防水シート
3.
 屋根材固定釘

4. 屋根材
5.
 役物板金類

となり、この5種類の材料が屋根上にどのような状態で残っているか。
又は飛散してどこに飛んで行っているのか。
これらの状態を調査する事で、台風の規模の概略
則ち風の大きさ(風速)、風向等を知ることが出来ます。
また被害を受けた建物の経年や周囲の状態、
建築環境(雨漏り、結露、雪害)等も知ることが出来ます。
カラーベストの場合は固定釘が付属品として付いています。
この釘で固定可能な野地下地は限定されます。
メーカーの指定材料は耐水合板厚12mm(ラワン合板、針葉樹合板等)です。
タルキ間隔等も規定された状態に施工する必要があります。
厳密に調査すれば下地の撓みや釘の保持力により微妙に性能が変わるのです。
更に、野地下地材か耐火野地板やパーライトモルタルでは固定釘の種類も変わって来ます。
又防水シートの種類によっても、その場の建築環境も変化に差が出ます。
則ち野地板が結露していないか、釘が結露していないか。
又屋根のどこの部位での条件なのか等です。
今回の野地板被害写真はほとんどが低勾配なので
金属屋根の下地ではないかと推察されます。

    野地板の被害写真(インターネット画像)


9)アンテナの被害(4件3%)
古いUVテレビアンテナの倒壊が見受けられました。
近頃は有線での受信も多くテレビアンテナ倒壊の被害は少なくなったようです。
BSアンテナは形状的にも強風を受け難い状態です。
比較的低い位置に設置してあるために被害が少ないようです。

  テレビアンテナの被害写真(インターネット画像)
番外編 簡易波板屋根(ベランダ・駐車場等)の被害
ベランダ・駐車場屋根の被害写真は波板系が74件・平板系写真が74件ありました。
他の部材の被害写真と比較して被害件数が多いので番外編として取り上げてみました。
①波板系屋根は古くはトタン板があります。

2021.03.27
住宅の外部環境と小屋裏・内部環境を考える その①『我が国の気候区分』
に続く項で「トタン板の
錆屋根のある農家小屋」
を取り上げました。
被害写真にある波板の材質は「塩化ビニール樹脂製」のものと
少し強度のある「ガラス繊維入りの塩化ビニール゙樹脂製」のものがほとんどです。


フェンス・塀の屋根波板系の被害写真(インターネット画像)①



波板屋根を固定するフックは古い物は金属製でした。
近年はプラスチック製となっています。
プラスチック製は施工し易く簡単に取り付けられますが、
紫外線で劣化し易く、フックが破壊して
屋根材が飛散している場合もあります。
飛散原因を追究すると固定法や材質にも
問題が潜んでいるように思われます。

フェンス・塀の屋根波板系の被害写真(インターネット画像)②


①平板板系屋根は先端に少しRを施したベランダや車庫に使用されています。
平板系の屋根材はアクリル板に比較してポリカボネード板は強度があります。
平板系の屋根の固定は波板系で採用されているフックではありません。
四周をパッキン付の枠板で挟み屋根材を直接固定しません。
板が強風で飛散するのはどうやらこの固定法に
問題が潜んでいるようにも思われます。

フェンス・塀の屋根平板系の被害写真(インターネット画像)③


平板系の屋根材はほとんどがポリカボネード製です。
ホリカボネードは透明性、強度、難燃性等
外部屋根としての有効な性能を有しています。
今のところベランダ屋根や駐車場屋根に適していると思われています。

フェンス・塀の屋根平板系の被害写真(インターネット画像)④
いずれの部材についても後日深堀りをして

再度考えてみたいと思います。


ありがとうございます。