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2025.12.06

建物の外部被害に関わる資料 その 78  『竜巻⑲ 』

顧問の坪内です。
いつも池本工務店の事業にご支援頂いてありがとうございます。




の文章で写真5に付いては先のブログで九州地区のセメント瓦の特徴を述べました。
写真6及び7に付いては少し掘り下げて調査してみましょう。
写真説明文には「隣接する建物の被害の違い」とあります。



   2024.08.28宮崎県突風被害調査報告
   ・
友清衣利子氏等より


50年以上も屋根に関わる仕事をしていると、
立面写真から屋根伏図や鳥瞰図を作成することは基より
近頃便利になったグーグル写真を駆使して、
各種の事件現場を上空から観察することが得意となって来ます。
近頃は、建物の台風・竜巻被害や各種災害状況も
報道情報を駆使して知る事も出来ます。
そんな訳で写真6の情報から2017年のストリートビューが左側の写真で、
2025
年のグーグル衛星写真が右側の写真となります。
左側の写真は一見何の被害も無いような内容に見えますが、
右側の2025年グーグル衛星写真では、この住宅に足場を組んで
大掛かりな補修工事をされているようです。
その写真の中の右側の少し古い住宅はセメント瓦の損傷です。
ブルーシートで裏側の片方屋根面を覆った状態です。

左側グーグルストリートビュー(2017)、右側グーグル衛星(2025)写真より


そして下の写真は写真7の屋根被害の写真です。
急勾配屋根の落ち棟部分から軒先位置にかけての野地板が
損傷を受けているように見えます。
調査団は野地板が無くなっているのを確認して
「野地板の飛散」とした写真と表現しています。
2
階の窓は雨戸がすべて閉じられています。
少し気になるのはこの住宅の小屋裏の換気が
どの様になっているかです。
左隣りの瓦屋根住宅には切妻側に円形の換気口が2箇所確認されます。
それと落ち棟箇所の板金仕舞いです。
ケラバ水切り板金の降りと水平棟の取り合いの箇所です。
この箇所はこの屋根の形状の中で一番雨漏りを発生させ易い箇所です。


   2024.08.28宮崎県突風被害調査報告
   ・
友清衣利子氏等より


上の写真の四角い赤線部を拡大して見ます。
調査団の指摘のように「落ち棟部」屋根は
何もなくなっており「飛散」しています。
そして各ケラバの箇所の屋根材も捲れているように観察されます。


   2024.08.28宮崎県突風被害調査報告
   ・
友清衣利子氏等より


写真7の情報から2017年のストリートビューが左側の写真です。
2025
年グーグル衛星写真が右側の写真となります。
右側のグーグル衛星写真を観察すると写真7で破損した野地板箇所に
屋根材が施工してあるようにも観察されます。
そして、後ろ側の屋根には何やらブルーシートが施工されているようです。


左側グーグルストリートビュー(2017)、右側グーグル衛星(2025)写真より


更にアングルは異なりますが、写真7の情報から
2017
年のストリートビューが左側の写真です。
2025
年グーグル衛星写真が右側の写真となります。
まず左側のストリートビューの写真を観察しますと
この住宅の妻部には換気機能が見られません。
今まで多くの風被害の現場を観察してきましたが
小屋裏が結露し、屋根構造材が腐朽して
飛散しているケースが多くありました。
ひょっとして野地板が飛散したという事は
この住宅も同じような現象かも知れません。
右側の写真を観察すると上記の写真で建物後側の
ブルーシートが見られた箇所は屋根面積の半分を覆られています。
被害調査をする時、被害箇所を建物の四周から
意識して、調査をすることはあまりありません。
調査報告書をどの様に表現するのかは難しいところです。


左側グーグルストリートビュー(2017)、右側グーグル衛星(2025)写真より


竜巻は更に北西に進んだようです。


この下の写真8はどこかで見たような写真です。
そうです。前回の2025.11.22 建物の外部被害に関わる資料 その 77  『竜巻⑱ 』
にある 
毎日新聞写真の赤色印円形のお家です。この住宅の特徴は屋根被害です。
の住宅です。

   2024.08.28宮崎県突風被害調査報告
   ・友清衣利子氏等より



調査報告書の内容として
「① 屋根の野地板が吹き飛び,母屋が残った住宅である。
② 接合部の補強金物など見受けられない。
また,③ 軒が深く,軒先に大きな風荷重がかかった可能性が考えられる。」

とあります。
毎日新聞の報道写真を切り取って拡大したのが、
前回掲載した下記写真です。
先の報告書の内容の ① ② ③ の内容が
下記写真を観察すると良く理解できると思われます。
上記報告書の写真は下の毎日新聞写真の
右下の電柱の位置から撮影したのが分かります。


    「毎日新聞」掲載写真より


写真9 に示す建物の付近には木材の残骸が残されており,
強風だけでなく飛来物の影響も受けて被害が拡大したと考えられます。

写真から見る被害の特徴は
 ①屋根材はセメント瓦です。
 ②屋根形状は寄棟です
 ③樋の色は茶色で破損部は少ないようです。
 ④屋根被害は2階屋根の庇部から先です。
 ⑤2階の軒天には換気口があります。
 ⑥モルタル壁には嵌め殺しガラス窓
  「屋根勾配に沿った斜めにカットした形があります。」
 ⑦ここはおそらく階段の箇所と思われます。


    2024.08.28宮崎県突風被害調査報告
   ・
友清衣利子氏等より


木材部が結露、雨漏り等で劣化して強度低下が発生している箇所が
弱点部となって被害を増大することがあります。
台風に比較して竜巻被害は局所的なので、
自然(集中した風の力)が建物の弱点部を探り、
その箇所を中心に被害を拡大させるようです。

もう少しお付き合い願います。

ありがとうございます。